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ゴミみたいな日常の終わり

不定期です






俺の人生を物語にするならきっと『起』も『承』も、

『転』どころか『結』さえもないつまらない駄作になる

だろう。


アーサー・セントリア、セントリアス村に産まれ

セントリアス村で育ち、現在王都に出て冒険者としての

生活を送っている平民生まれの17歳の少年。

また、世界中の人間族から期待されているSSランク

冒険者パーティーのリーダーである選ばれし勇者

・・・・・の荷物持ち兼雑用係である。


荷物持ち兼雑用係だとは言っても書類上はちゃんとした

パーティーメンバーなのだが扱いとしては奴隷以上小間

使い未満だ。


もし自分のギフトが回復師ではなく、珍しくて強い戦闘

向けのギフトを貰っていたらこんな扱いを受けずに済んだ

かもしれない。いや、そもそもずっとペアの冒険者として

組んでいた幼馴染が勇者のパーティーに逆スカウトなんて

されなければこんなことに、なんて思う。

もしやあの時なんて物を考えても仕方ないのだが




俺は平日6時に目が覚める。

パジャマから運動用の服に着替え靴を履き、トレーニング

に出る。腹筋100回、腕立て100回、マラソン5キロに

模擬戦を意識した素振りを済ませ急いで帰る。


汗をかいて濡れたシャツを脱ぎ冒険者ギルドへ向かう。

SSランクパーティーと言えど毎日依頼があちらから来て

くれる訳でも無く、美味しい高ランク依頼はSランク

パーティーに取られてしまう可能性がある為早朝のギルド

が開く時間まで外で待っている必要があるのだ。


「おはようございます!今日もお早いのですね」


「おはよマオさん、マオさんこそ何時も早い

じゃないですか。大変ですね」


「いやいやアーサーさんこそ!いつもパーティー

の為に早朝からここに来てるじゃないですか。

ほんと仲間思いなんですね」


「あはは、まぁ仕事なので・・・。

ちなみに今日は俺ら宛ての指名依頼入ってますか?」


「えっと今日は確か・・・すいません入ってないです。」


「なるほど、いつも把握して下さりありがとう

ございます。毎度助かります」


「いえいえ、これこそ、仕事ですので!」


大きな石造りの建物、ギフト玄関前の掃除をしていた

濃い茶髪をひとつに縛り上げているギルドの制服を着た

マオさんと身も蓋もない世間話をする。俺の忙しい日々

の癒しだ。


「あ!時間ですね、すいません今開けます。

鍵はっと、あった・・・はい、開きました

ようこそギルド『風々亭』へ!」


中に入ると独特な木の匂いがする吹き抜け廊下のある

中央ホールが見える。壁側に貼り付けてある大きなボード

からSランク以上限定と書かれた貼り紙を数枚取った。


微妙だ、Sランク以上限定と書いてあるだけあって難易度

はかなり高くモンスターも大変凶暴なのが多い。

さらに報酬も渋いのだ、最近不景気だからか微妙な依頼が

増えてきている。とは言え楽で安全で報酬が高い依頼が

来るまで待つなんて贅沢は言ってられないのだが。


1番マシそうなグリフォンの討伐を選びカウンターまで

持っていく。カウンターにはダルそうに書類整理をして

いるフリをしてサボっているベテランギルド職員がいた。

ハッキリ言ってハズレだ。


「あのー、すいません」


「あぁ?あー今忙しいから後にして」


「すいません!SSランク、勇者パーティーのアーサー

です。 依頼書の確認を頂きに参りました」


「ごめんごめん、勇者様の使いっ走りね。

はいはい、これね。はい受領証、先に名前言って

くれればちゃんと受け答えするのに。若い子は気の

使い方がなってない、嫌な時代。行った行った」


さっきまでサボってたお前に言われたきゃねーよなんて

頭の中で愚痴りながら笑顔で受け取る。



基本的にアイツらは冒険に使う防具や武器の整備を

しない。勇者に限っては聖剣の手入れもやらせて

くるのだ。

勇者達が泊まっている高給取り冒険者用の宿にある

地下の借り武器庫に行き防具の手入れをする。


4人分だ、防具は地味に重いため重労働。

しかも他人が使う防具となると使い心地を自分で

確認できないため慎重に手入れしなくてはならない。


基本的に俺ら勇者パーティーが冒険に行く際には

僕はお留守番となり、勇者、魔術師、盾騎士、弓使い

の4人で行っている。戦闘で役に立たない回復師は

お荷物だから来るなと勇者は言っているが普段の

行動から察するにハーレムメンバーだけで動きたい

からだろう。その証拠に今もハーレムメンバーと

盛った疲れで爆睡している。


なんだかんだ点検も兼ねて防具の手入れをしていると

10時になった、もうそろそろアイツらが起きる時間だ。

今日受け取った依頼書を持ってアイツらが泊まっている

であろう部屋の扉の前まで来る。物音がするので起きて

いるのであろう。


「ハヤト、おーい起きてる?

依頼持ってきたぞ。」


ノックをして声をかける

すると足音が近づてきた。

ドアが開く、そこには珍しい黒色の髪をしたイケメン顔の

男、ハヤトが上裸で睨むような目つきで立っていた。



「あ?何、依頼?ゴブリンキングなんてゴミ

取ってこなかったよな?」


「取ってきてないよ、今日はこれ」


「チッ、グリフォンかよ、ダルいわー。

しかもエンデール山脈とか歩くのだるいやつじゃん。

他にマシな奴なかったのかよ、使えねぇな」


ハヤトは扉を蹴り八つ当たりしながら依頼書を受け取る。

今日は機嫌が良いみたいだ、機嫌が悪い時は俺の溝内に

魔力無しで蹴りを入れてくるのだから。


ハヤトがこうも高圧的な態度な態度なのはきっと育った

環境もあるのだろう。ハヤトはチキュウと言う天界から

来た使者である勇者の一族、サトウ家の末裔らしく国際的な権利を持っている。それだけではなくサトウ家の当主と

なる権利を得れるギフト,,勇者''を持っている。故に

世間からは幼少期から恐怖と尊敬の混ざった目で見られ、

身内からは甘やかされてきた。その結果がこの有様だ。


「ハヤトくぅん、何してるの?寂しいよぉ」


頭が弱そうで媚びた口調の声を発しているのは俺の幼馴染

であるチェリーだ。オレンジ色の髪をしたツインテールが

少しボサボサになっている為寝起きなのだろう。


「聞いてくれよ、このドブネズミがグリフォンしか依頼

取れなかったみたいでよ?コイツ俺らのお陰で飯

食えてるって自覚ないみたいだぜ」


「ほぉんと?まじ最悪。グリフォン臭いし山奥にしか

いないから行くのダルいじゃん。アーサーちゃんと

仕事してよね、困るの私たちなんだからね」


昔はアーサーくんと慕ってくれたのに今はゴミみたいな

扱いだ。もうあの頃の俺が好きな幼なじみ、初恋の女の子

は死んだのだとわかってはいたが毎回心に刺さるものが

ある。チェリーと一夜を共にしたとハヤトから聞いた時

に比べたらまだマシではあるが・・・。


「ほら、昨日のうちにアレ決めといてよかっただろ?

この顔もう見ないで済むとなれば気が楽だ」


「流石ハヤトくん、これからは何も考えずハヤトくんに

ついて行くことにするわ!アーサー、いやコイツのこと

で躊躇ったのが馬鹿みたい」


「少しはチェリーも考えるんだそ?

まったくチェリーは可愛いなぁー」


「えへへー、でしょでしょ?ハヤトくんもかっこいいよ」


「すまんが何の話か教えてくれないか?」


するとハヤトがニヤリと笑う。

この表情、俺からチェリーを奪った時と同じ表情だ。

嫌な予感がする、冷や汗を背中から湧き出る、顔が青く

なって行くのを感じる。いや、まさか、俺はこんなにも

パーティーに貢献してきたじゃないか


「何の話かってぇ?決まってんだろ」


ハヤトの後ろでチェリーがニヤニヤと媚びた笑みを

浮かべている。この状況、既視感があった。

俺の予想通りなら、俺はパーティーを・・・。


「お前今日からパーティー抜けろ。

無能は勇者パーティーに不要なんだよ」





とある平日の朝、突然に俺の物語は動き出した。

俺のつまらない人生と言う駄作に『起』が生まれたのだ


感想や応援メッセージを頂けると

モチベーションが上がりますので

どうかよろしくお願いします

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