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第一章はここまでです。今回はリオ視点。レオがかわいいしか言ってない…。なんだかヤベーやつになってしまった……。


次章はまだ書ききれていないので、投稿までもう少しかかる予定です。




 レオはある日、僕の住処のある山にやってきた。最初はまた僕の羽を狙いに来たやつかと思ったんだけど、一目見るなり衝撃を受けた。


 すごく、かわいかったんだ。


 小さな手足で必死に立ち上がろうともがいてるところとか、もうほんとにかわいくて、すぐに伴侶にしようって決めた。本当はもう少し見ていたかったんだけど、さすがに凍え死んじゃいそうだから助けることにしたんだ。


 家に連れ帰って、眠ってる間に身元がわかるものがないか調べてみたんだけど、この辺りでは見かけない感じの服だし、顔立ちなんかも異国っぽいし、多分異世界人じゃないかな?持ってた本の文字も見たことないしね。


 異世界人を伴侶にした従兄の話だと、彼らの故郷って絶対に帰れない場所だから、普通の人間より余計に故郷を恋しがるんだって。だから、従兄が言ってた通り、寝ている間にこっそり歌って、あんまり思い出さないように誘導しておいた。ばれるとすごく怒るらしいし、嫌われたら困るもんね。


 目が覚めたレオは、僕の翼を撫でて幸せそうにふにゃって笑ってて、最高にかわいかった。しかも、僕が魔法を見せたらすごいすごいってほめて、たくさん撫でてくれた。本当にかわいいよね!


 レオは小さいから、ふわふわの羽毛を敷き詰めた僕の家だと、埋もれちゃって動くのも大変そうだ。ふちまで一生懸命よじ登ってるところがかわいくて、レオが踏みつけて均した場所もこっそりふかふかになおしているのは内緒の話。


 何とか抜け出して、洞窟をちょこちょこ歩き回ってるのも、好奇心旺盛な小動物っぽくていいよね。そう思ってたら、ちょっと目を離した隙に転んでケガしていて、慌てて治した。僕の翼は火、水、風、土っていう一般的な四属性だから、治癒魔法は使えないし、すごくドキッてした。それからは、レオが家から出ようとすると、また転ぶんじゃないかとひやひやして外に出すのが怖くなっちゃったから、僕が家にいる間はできるだけ外に出ないように監視していたのは今考えるとちょっとやりすぎだったかもしれない。


 あの日もいつものように、レオにもふもふしてもらう至福の時間を過ごしていたんだ。その幸せな時間を邪魔するように、警戒網にずいぶんたくさんの人間の気配を感じた。しばらく来ていなかった、羽狙いのやつらだろう。期間があいたのは隣の山から引っ越したからじゃなくて、単純に戦力を集めていただけだったみたい。


 僕はレオにここから出ないように言い聞かせて、追い払いに行った。せっかくのレオが撫でてくれる時間を邪魔したんだから、皆殺しにでもしないと気が済まない気分だったんだよね。


 そしたら待ち受けていた人間たちは、今まで来ていたやつらなんかじゃ比べ物にならないくらいの精鋭揃いで、結構ヤバかった。今考えると雪崩でも起こせばよかったんだけど、あのときはもうほんと死ぬんじゃないかって思った。しかも、でも、そこは家から結構近かったから追い払わないとまずいし、レオを連れてすぐに引っ越せる候補地もないしで正直言ってかなり追い詰められてたと思う。


 そんなとき、なんとレオが助けに来てくれた。やつらを動揺させて、僕を逃がそうとしてくれたんだ。かわいいだけじゃなくてカッコよくて、惚れ直しちゃった。それでぼんやりしてて、攻撃を食らったんだから、笑える話だよね。


 レオはすごく心配してくれてて、ちょっとそれもいいかなって思ってたんだけど、さすがにこのまま死んだらまずいし、やつらにレオを見られるのも良くないから、先にレオに羽を渡しておくことにした。まずいなって思ったときに、あんな奴らに渡さないように、何枚かは取り込んでおいたから、そろそろ回復も始まるし、レオもこれだけ羽をなじませれば、飛んで逃げられるだろう。そう思ってたんだけど。


 羽を取り込んで存在が僕に近づいたレオは、僕を助けようとしたんだ。名前までくれて、それで僕はリオになった。ほんとはもうちょっと長いんだけど、それも含めてレオとおそろいの名前とか素敵だよね。さらにはまだ本能的な知識みたいなものに慣れていなかったのか、それとなく共有契約を示したら疑いもせずにしてくれて、体とか知識とかを共有できて、大満足だった。人間だったレオの要素が混じったせいか、人化したらレオとそっくりになっていたし、レオの黒かった髪や目も、僕とおそろいになっていてすごくよかった。


 ああ、師匠?人間にしてはまともな奴じゃないかな?僕たちの正体もうすうす勘付いてるみたいだけど、狙ってくるどころか歌を聞かせろって言ってくるし、アドバイスに従ってみたら数段響き方もきれいになったし。あれ、これだとまともな人間じゃなくてただの音楽バカだね。


 まあレオを助けてくれたから、三回くらいは助けてやってもいいかな。

キャラ紹介


リオ

本名:エマリオ

性別:男

特徴:白髪に空色の瞳、もともと雪白鳥と呼ばれるもふもふの鳥なので、髪の毛はふわふわ。レオに見た目が似たため、かわいらしい顔立ちだがやや目元が凛々しめ(レオと比べて)。

好きなもの:レオ、レオに歌を聴かせること、レオにもふもふしてもらうこと、レオに歌ってもらうこと、その他レオにしてあげる、してもらうこと

嫌いなもの:レオを狙ってるやつ、レオに色目を使う(ように見える)やつ、羽を狙ってくるやつ

性格:レオに対しては甘々だが、それ以外には大変厳しい。


こんなはずじゃなかったんです…。最初はレオ以外には心を許さない感じのクールな子だったんです…。なんか勝手に思考誘導とかするヤバい子になっちゃったんです…。


あ、ちなみに共有契約は、お互いの一部(髪の毛とか)を交換したうえで名前を呼び合い(なければつける)、さらに額に口づけを交わすという案外簡単にできる契約です。本来はテレパシーとか力の受け渡しができるつながりを作る程度で、主に親が、狙われやすい子を守るために結びます。解除も交換していたものを返すだけで、大体成人や結婚のときにします。ただし、この二人は羽という自分の命の一部を交換した影響か、めちゃくちゃ結びつきが強くて解除方法が不明になっています。消えちゃったし。

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