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私はそれらとるにたらない幼稚な憶測に、惑わされることがなかったからです。


何故なら私は、何故消えたのかはわかりませんが、何処で消えたのかははっきりと知っていたからです。



騒ぎは前回同様にしばらく続きました。


いや正確には、二人目と言うことで前回以上に大きな騒ぎとなっていました。


住人が騒ぐ上に、北畑女史のときは無視を決め込んでいたマスコミが、大勢押しかけて来たからです。


どっから沸いてきたのかわからない野次馬連中も。


その数多い人たちの中に、公園のトイレに注目した人は誰一人いませんでした。


当たり前です。


私のようにこの目で見ているのならともかく、何も知らない人が「この度の行方不明事件は、公園のトイレが原因だ」なんてことを言い出すはずがありません。


その騒ぎの中私は、あることに気付きました。


そしてそのことを気にかけるようになりました。


あの日のじいさんの行動です。


その前の二人は目的がトイレそのものだったので、トイレに入ったことについてはなんら不自然な点はありません。


しかし仁科のじいさんは違います。


明らかにトイレの前を通り過ぎようとしていたのに、立ち止まり、振り返り、トイレの中に入って行ったのですから。


それはまるで、トイレの中から誰かが仁科老を呼んだかのように、私には見えました。

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