六幕「戦闘・嫉妬型破壊魔」
「ふふふふふふ・・・、どうやらこの破壊魔は嫉妬型のようね。
思いっ切り跪いてもらいましょうか!!」
榎弘羅はさっと体制を整えると、
嫉妬型破壊魔の方へと走り、ナイフをグサリグサリと刺した。
「ギッガァァァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!??」
舞う血が、やがて地に落ち、地の飾りと化す―――。
「―――全く・・・女と嫉妬ってもんは、破壊魔の力なんだな・・・
俺も実は榎弘羅と同じく不思議な属性でな・・・
まぁ魔族とかではないが、威力には自信があるぞ」
そう言って枯炉眞は破壊魔を蹴り飛ばし、殴り、破壊した。
「お…おりゃっ――!! ぼ、僕も少しはできる―――っ」
カイルが爆炎を操り、破壊魔に火が燃え移り、呪われた破壊魔達から心の血が噴き出る。
カイルは心の血が自身にかかり怖がっているが、
なんとか火の弾を操り、ドンドンドンと火の弾が爆発し、破壊魔を壊してゆく。
「うおっ・・・・りゃああああ!!!」
依月は力任せに蹴りを入れる。
破壊魔はものすごいスピードで向かってくるが、
依月はそれを無視するように足を挙げ、蹴る、蹴る、趹る。
「・・・依月は蹴りが上手ね・・・
蹴りや殴りが苦手なナイフで刺すしかできないタイプとは、全然違うわね・・・
なかなか運動神経がいいのね、羨ましいわ―――これだけすごい人は初めてみた。」
頬を染め依月を褒める榎弘羅。
そんな榎弘羅に、依月は答えた。
「っはは、そうか―――?
榎弘羅だってその腕使い―――
ナイフを刺す才能―――というか、ナイフの使い方が上手いな。お前は」
「そうかしら、不思議な力的なものの使い方もあまり慣れていないし・・・
あっ、依月、あぶない―――っ」
ジャキッ
「あ―――っ
・・・あっぶねー、榎弘羅ありがと! マジ助かったぜ・・・」
「礼には及ばないわ。
あぶないときはいつでも助けてあげるんだから。
私は同じ意志がある仲間が好きなの―――だからいつでも頼って」
「―――ああ!!
よしカイル、あそこの破壊魔の頭を狙え!」
「わ、分かった!
お―――りゃっっ」
「・・・いいなぁ」
リシスの仲間になりたいという気持ちが込められた独り言は、
誰にも届くことなく、リシスは洗脳を続けた。