三幕「進め、噂を元に」
そんな音が響き、
扉がガチャリと開き、「はい・・・」という声がする。
「――よっ――
お前が躬馗嬢カイル・・・だな?」
「そ、そう、だけど・・・えーと、どうして僕の所に?」
「・・・俺の事は分かるな?3-Dの胡埜鼠次枯炉眞だ。」
「は、はい。分かりますよ」
「単刀直入に言う。
・・・お前は、大切な奴が狂い者に成ったのか?
そして不登校になったのか?
そうだったら俺も同じだ、俺とこいつ、来咲依月は―――大切な奴が狂い者になり、
ショックで不登校になったんだ」
「・・・まさか、胡埜鼠次さんが・・・狂い者と破壊魔を知っていたなんて―――
・・・そうです、僕は解華高校の轟祇先輩と友達になりたかったんです――
塾で同じになって、知り合いではあったんですけど・・・
失踪事件で轟祇さんが行方不明になって、気になって調べようとしたら、
化け者に会ったんです・・・嫌われ者の、化け者。」
「―――あの化け者、信じられないほど狂ってたよな・・・
・・・それで、私たちの目的は、あんたを仲間に入れることだ。
・・・一緒に、狂い者達を救うんだ」
「是非・・・参加させてください。
依月さん、枯炉眞さん」
「ああ、歓迎だ。
・・・いくぞ、依月、カイル
杷坐火地区の謎館に生き別れの双子が狂い者になり喪った少女がいるという噂がある―――
そこに行くんだ」
「・・・分かりました、行きましょう」
「カイルの件もそうだけど、枯炉眞は噂をよく聞くのか?」
「よく聞くというより、狂い者と破壊魔に関係するかもしれない話はいつも耳を傾けている・・・
姉がそういう情報を吸い取る本格ハンターだからな・・・仲間を集めるのには協力してくれている」
「・・・そうだったのか・・・じゃ、行くか」
そして、三人の者はまた前へと進む。