終幕「僕らは、帰ってきた」
「お姉ちゃん!」
そう声を出したのは、来咲依月の妹―――那月だった。
「那月―――!!
もう大丈夫だ、みんなみんな・・・皆で分け合えばいい。苦しい事は」
「うん―――。ありがとう、お姉ちゃん」
そんな幸せそうな光景もあれば、新たに声を掛ける人間もいた。
「あ、あのっ―――!
せ、先輩―――僕、ずっと先輩と友達になりたかったんです――
え、えっと、ぼ、僕、解花中学の―――躬馗嬢カイル・・・です―――っ」
そんな姿もあれば、闇焔エナに声を掛ける八幽榎弘羅の姿もあったのだ。
「・・・私は、私自身の殺傷能力を―――――――封印する。」
そんな中、純玲は言い放った。
「・・・化け者―――いや、純玲さん―――
それで、いいの?」
「うん―――天罰自体は封印しない。でも、心の血は奪えなくなる。
―――私は、それでいいの」
「・・・そうか。純玲がいいなら―――
いいよな。・・・なっ、那月っ」
「うん。純玲さんがいいのなら―――」
純玲はにっこりと笑い、さてと、と、また話を始めた。
「―――そろそろ、この世界を新たなセカイへの幸せに変えて―――元の世界に、戻ろう」
「―――ああ」
―――この世界に、本当は破壊魔など居ないのいないのかもしれないし、いるのかもしれない。
―――だがただ一つ言えることは、心の血とは目に見えないのは当たり前
―――だけど、その心の血は消えることなく、何かに拭かれることはなく
【返却】
できることだ。
さ
あ
、
今
、
み
な
で
叫
べ
。
コ
コ
ロ
ノ
チ
【 返 却 】 。
ココロノチ、頂戴
完。