開幕「女神・死神」
ある日、
ある時、
有る時間。
「―――私は、私は―――誰なの?
めが・・・み・・・女神なんて、なんでなんで?どういうこと?
なんで記憶の中には争いを止めるための女神で名前は『全解リシス』って記憶しかないの――?
全解なんかじゃない、全部分からないよ・・・」
その女神少女は、
確かに人目のつかない暗い街にいた。
その女神少女の目の前に舞い降りたのは―――・・・
「君―――一人なの?
キミは確か・・・リシス・ミステリアオール・ガ・ドール、だっけ。」
「―――私は全解リシスだよ・・・
なんでそんな名前で、呼ぶの?」
「狂い者と破壊魔関係の神の名前ならある程度知ってるさ。
君の正式名が―――リシス・ミステリアオール・ガ・ドール」
「神―――狂い者と、破壊魔―――
争いを、止めるための?」
「ああ、そうさ。
僕と君以外にも・・・何人がいるはずだけど。
何年も前に化け者を生み出した元凶様の幽霊の強き想いが、僕らを生み出したんだよ。
もうこれ以上破壊魔が増えるなって思いが、平和に伝わって僕らが生み出された。
僕ははじめて争いを止めるための神仲間に会ったけどね。」
狂い者の、いつもの狂った口調でそいつは言う。
「・・・あなたは?
あなたは、なんて、名前なの?」
そんな風に、
奴に名前を聞く。
「おっと・・・申し遅れたね。ごめん。
僕は七鎌タナト。正式名は『タナトス・フレイムスタァ・ガ・ドール。』。死神さ。
どうやら争いを止める神達の脳内には、
自分達が果たさなければいけない役目と、
自分の名前だけが埋め込まれているみたいだね。
キミ、目覚めたばっかでしょ?
何か手伝うことでもあるかなぁ」
「・・・私、何すればいいのか分からないの・・・
全部解るはずなのに、なにもなにも。」
「ふーん・・・
リシス、君の近くにいてあげよう。何もできないのなら。」
「・・・いいの?」
「まぁ、いいさ。
なんだか最近、僕らと同じ考えをする奴らが現れる気がするんだ。
そいつらが現れるまで、ここに蹲るがいいさ」
「・・・うん」
これはこれはまたまた、始まってしまいそうだ。
狂 い 者 と 破 壊 魔 の 、 そ ん な 物 語 が 。
笑うも怒るも狂うも、
僕達次第。
ココロノチ、
頂戴。