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解説:幻想博物誌  作者: 邨野節枯
ミニュ編
5/11

交易路

 術語として「遠隔地商人」等と表現される事もあります。

 公益路を開拓するというのは、とても大変です。単に地図があれば出来る、というものではありません。移動中の消費等も考えて、そもそも、交易品のやり取りで利益が出なければ維持出来ません。冒険が主ではないのです。ただ、開拓者は生活の基盤を長いこと離れることになりますから、誰かの後押しなどで送り出される事が多でしょう。


 商売だけ考えれば、投機的に収穫期等に穀物を買い、飢餓期に売る等という方法でも利益は確保できるわけです。ただし、才覚や運だけでなく、資本も必要です。

 交易商人は余り季節に関係なく、珍しい商品価値の高い物を遣り取りしています。つまり、余り大きな資本が無くても、より大きな利益を確保できるわけです。ただ、その利益は長い距離とその移動で稼いでいるわけですから、リスクもあります。


 大航海時代(ヨーロッパ人は未だに発見の時代と呼んでいますが)には、船の保険料率から計算すると、船の三分の一から五分の一は沈んでいただろうと推測されるとのことです。まあ、保険で利益を受ける人や積み立てる部分もあったかも知れませんから、そこまででは無かったのかも知れませんが、それでも大変な危険がありながらも交易してたんですね。一攫千金という事もあり得たわけですね。

 陸上ではそこまで危険では無かったでしょうが、運搬できる貨物の量は遥かに少ないわけです。実際、ヨーロッパでは中世に既に北の海と地中海で海上交易圏がうまれ、それを繋ぐ陸上の交易路が存在しました。ですから、さらに地中海と北の海を結ぶ長距離航路を確立するだけでも、物凄い利益が約束されたわけです。

 もちろん、陸路の公益でも単純に既に街道として整備された所を通過する方が遥かに安全で、参入もしやすくなります。ただ、それでは利益が大きなものとなるとは限りません。安全や、物資の補給、宿への宿泊等、旅のリスク等を軽減するサービスは全て何らかの形で享受する者が支払う事になります。


 ただ、それでもそのリスクを金に変える人々がいたという事は、確かです。


 ミニュ編では、街道や人の手の入る森から遥かに離れた場所に、主人公の一行が訪れた事になります。ただ、途中の森の中までは開墾や入植が試みられたりしてますし、そもそも、既に交易が細細と行われている場所ですので、全くの人跡未踏の地を行く冒険ではありません。

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