馬・騾馬・驢馬
第二次世界大戦位まで、実は輸送の主力は駄獣が一般的だったそうです。舞台は近世、場所によっては中世やそれ以前のレベルですので、さらにその傾向が強くなります。
駄獣については、この世界と同じ動物については、基本的に性格や積載量等について同じです。
主人公の馬:
主人公が連れている馬については、サラブレッド等の品種改良され続けた馬ではありませんし、競争用の軽種でもありません。なので、今日一般的に考えられる程には扱いにくくはなく、大人しくて従順で比較的粗食にも耐えます。
旅用に積載量や性格を考えて重種です。具体的にはペルシュロン種の様な、1トン程ある脚が短くて太くて腹もでかいずんぐりしている馬です。力強くて、かっこいいですね。
重種は輓馬というイメージが強いですが、シャイアー種等のように甲冑を着込んでいた時代や、馬自体が兵器と捉えられていた時代には、馬自体の大きさや重さと積載量は大切でしたし、騎乗用としても用いられていた例があります。競馬じゃないので、従順で行軍に耐えなければ使えませんしね。馬なのに、十馬力とかあるそうです。
驢馬:
群れる動物ではないので、馬より社会性がないというか、言う事を聞かないこともしばしばあるそうです。知り合いのフランス人のお年寄りによれば、座り込んだらテコでも動かないそうです。
ただ、有名なナポレオンのアルプス越えの馬に乗った絵がありますが、彼は実際にはロバに乗っていたそうですし、輸送だけではなく騎乗も不可能ではないということですね。。
驢馬は小さなイメージや、可愛らしいイメージがありますが、耐久性や経済性を考えると、馬より優れているかも知れません。元々荒地や山岳、乾燥した場所等で生きる事が出来る訳ですから、少ない水と粗食にも耐える性質と相まって、身体の小ささなど数で押し切れます。
騾馬:
驢馬と馬のハイブリッドですね。雄驢馬と雌馬の間に生まれたものを騾馬と言います。
割といいとこ取りで、大きくて強くて従順で大人しくて粗食に耐えて……でも時たま頑固でと両方の形質を受け継いでいるそうです。
ただ、違う種同士の掛け合わせなので、繁殖する事が出来ません。