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飴ちゃん先生  作者: 塩味
3/8

実家

こんな田舎に行きたい…


「地球はまーーわーーるーー」


昨日久しぶりに金曜映画ショーを見たら懐かしき名作アニメがあっててついついハマって見てたらそのまま今日の作業中の鼻歌で口ずさんでしまうね。さて、学校は春休みに突入してしまって今日は生徒達が使ってた寮の部屋の掃除なんだけど…毎度の事ながら掃除をして退寮なんだけど掃除が甘いなぁ…と思い床や窓を拭いていく。寮生でも遠方の子等は帰らない時もあるし部活生なんかは春休みは余程じゃない限りは帰らないので僕もそのまま寮に至りするが、春休みが終わる最後の5日間のうち3日間は僕も実家に一旦帰れるのだが…僕の場合は実家じゃなくておじいちゃんの家なんだよなぁ…ちょっと遠いから少し面倒くさいけどおじいちゃん家の花見が楽しみだから今年はちゃんと帰らなきゃ…去年はみっちゃんに付き合って二日連続合コンだったし…なんか紗江ちゃんにバレてすごい怒られてしまったし…


「アメちゃーーーん」

「どうしたの?」

「昼からさ部活が休みになってよ、野球するんだけどアメちゃんもやらない?」

「んーー…そうだね、ご飯食べたら寮前かな?」

「やった!アメちゃんゲット!!」

「その代わり野球の後は僕の方も手伝って貰うからね?」

「大丈夫、人数多いからすぐ終わるさ!」


そんなこんなで

お昼から野球(ゴムボール、プラスチックバット)で男子諸君と野球を始める、部活から戻ってきた女子等も参加し始めて男子VS女子が始まった。なして僕は女子側なの…?


「アメちゃん!打つのよ!!」

「今夜のデザート男子共からふんだくるんだから!!」

「アメちゃんはいつから女の子になったんだ!!?」

「おい、下手な事言うと織田先生が宿題3倍だぞ」

「アメちゃん打ったらハグするわ!!」

「それズルい!私もやるからーー!!!」

「デッドボールを指示する」

「任せとけ」

「うわっ!?」

「ゴラァ!!クソ男子!!なにしとんじゃ!!!?」

「おかしい…あいつら本当に人か…?」

「よっこい正一」

「ギャーーー!?あんな気が抜けてるのに打たれたぁ!?」

「まだまだ若い子には負けないよ」

「あの用務員大人気ないぞ!?」

「デザートイェーイ!」

「僕が打っても女の子達が続かないとダメだよー」

「プランA開始」


◆◆◆◆


「ま、負けた…」

「デザートイェーイ!」


5-7

男子諸君の負けである。

僕が塁に出たのは複数回あったんだけど、そう簡単に返す事は出来なかったんだけど…

最終回は5-2だったがあれよあれよと5点追加。僕が塁に出てなぜかピッチャーがフォアボールを繰り返し押し出しで2点追加、ピッチャーは変わったが再びフォアボールで1点。最後は女子ソフトの子に綺麗に外野越えをされてまた2点で女子の逆転勝利フォアボールピッチャーは男子諸君から蹴られてたが何故か嬉しそうな表情だったMかな?


「今夜のデザートなんだっけ…」

「月に1回のヘルシーケーキよ!!」

「こいつら計算済みかよぉ!!?」

「デザート楽しみね!」

「田中君、山田君ありがと!」

「ピッチャーの目を見るだけのプランA凄いわね」

「えげつない…」

「ほら!夕食まで時間あるから僕の掃除手伝ってもらうよ!!」

「覚えてたか…」


この後めちゃくちゃ掃除した


そして夕食だが男子諸君は奪われたケーキを恨めしそうに見てたので同情した僕が食堂のおばさんと一緒にプリンを作ってあげて夕食の30分後程に配ってあげる事にした、女の子も欲しいと言ったがとりあえず明日作ると約束しその場を納めた。


「それでは僕は行きますね、何かあった時はご連絡お願いしますね」

「はい、任せてくださいごゆっくりいいですからね」


守衛さんに寮を任せて3日間の休日を取ることになったので実家に一旦帰ることになったので電車の時間を調べながら駅に向かっていると…


「よー守ー」

「あれ?みっちゃんどうしたの?」

「ちょっと大学に資料取りに行っててよ、守こそこんな時間に外なんて珍しいじゃん」

「今日から実家に帰るんだ、今電車の時間を調べてるんだよ」

「あー去年合コンに無理やり連れて行ったからなー…どうだ?俺も爺さん達に挨拶したいし送ろうか?」

「え?でも資料取りに行ったんだし授業あるんじゃないの?」

「なーに、新学期からのだから平気だよどうするよ?」

「じゃあ甘えようかな」

「任せな!ちょっと待て…よしいいぞ乗れ」

「ん?…了解。安全運転してね?」

「…」

「おい!」


……

………


「やー高速かっ飛ばすのは気持ちいいな!」

「よ、よい子のドライバーは真似しない様に…」

「あいつも着いてるかもな、ほら行くぞ」

「みっちゃん…もうちょっと安全運転してよ…」

「守が生きてる事が安全運転だろ?」

「屁理屈じゃないか…」

「守!」

呼ばれた方を見てみると何故か紗江ちゃんがそこにいた、疑問に思いつつそれよりもみっちゃんの運転の激しさにフラフラしつつ紗江ちゃんに近づくと…黒い弾丸が腹に突っ込んできた


「兄ちゃん!!!!!」

「うごっ!?」

「あっ…こりゃダメだ」

「守ーーーー!!?」


意識はさよなら…


side光秀


兄ちゃん死ぬなーーーー!!!!

と少女が守をガクガク揺する。

き、救急車!?いや気絶してるだ…気絶してる守…?

頬を赤く染めなんかクネクネしだした同僚の女教師


逆に冷静になるってこういうことか…


守をおんぶし爺さんの家に入ると婆さんがちょうど出てきてので挨拶をした。

「どうも靖子さん、光秀です昨年はご迷惑おかけしました」

「あらあらみっちゃんお久しぶりね、去年は大変だったのよぉ?お爺さんがワシも守と遊ぶと聞かなくてね」

「婆ちゃんただいま!」

「お、お久しぶりです…紗江です、靖子さん」

「おかえりひーちゃん、紗江ちゃん?まぁ…大人になって…ほんと美人になったわね」

「い、いえ…美人じゃないですよ…」

「靖子さん守中に置いときますんで」

「えぇお上がりなさい、なんで守は気絶してるの?」

おいこら緋奈子よ目を反らすな



side紗江

靖子お婆さんと高校生卒業の時以来に出会い忘れてないかな…?と不安はあったがすぐに私とわかってくれたようでとても安心した。変わらぬ優しい目尻の皺が少し深くなっているのでやはり歳は取るものなんだと思っていた、光秀はそのまま守を和室に運んで座布団を枕代わりにして転がしておばさん達に挨拶に向かったので私も緋奈子ちゃんと一緒におばさん達の元へ向かう。

父ちゃん!母ちゃん!!と走り出す緋奈子ちゃんはそのままおじさんのお腹に突撃して行ったがおじさんは微動だにせず受け止めてそのまま高い高いして遊ばせていた。


「お久しぶりね紗江さん」

「梨々香姉さん、和彦さんお久しぶりです」

「こんにちは紗江ちゃん、養父さん達なら今庭の裏で準備してるよ」

「あら?手伝わなくていいんですか?」

「みっちゃんが俺がやりますって聞かないのよ」

「去年の罪悪感があるのかもね」

クスクス笑う梨々香姉さんは守のお姉さん、姉弟揃うと顔の作りと雰囲気が似てるためよく似たもの姉弟と近所の人から言われていた。優しくしてくれた姉さんは長く交際を続けていた和彦さんと結婚され元気な緋奈子ちゃんも産まれ家庭円満に過ごされている。

姉さんの結婚の報告を聞いた時は思わず泣いてしまい守を困らせてしまったのがほんっっとに恥ずかしい…結婚式でも姉さんの綺麗な姿を見ると涙が溢れてしまい化粧が大変な事になってしまった。

「守はどうしたの?」

「うっ!?」

「どうして緋奈子が驚くの?」

「いや…えっーーーと…」

「ひーなーこ?」

「ひぇ…」



side守


ん…?

なんで…寝てたんだっけ…?

畳の匂いをかんじて目が醒めると良く昼寝をしていた覚えのある和室だった、縁側から来る陽気な陽射しはまた眠気を誘おうが携帯を確認してみると家に着いて1時間くらいかな?なんか痛むお腹と背中に違和感を感じつつリビングへ向かうと。


「あら、守起きたのね?背中大丈夫?」

「ま、守!!だだ、大丈夫!?」

「兄ちゃんごめんよぉ…」

「あと10分早く起きてくれれば準備まだあったのになぁ…」

「ごめんごめん、姉さん和彦さん久しぶり。ひーちゃんも久しぶりだね」

「ふふ…貴方の寝顔を久しぶりに見ましたよ、父さん達は台所で準備してるから顔だしてきなさい」


……

………


「父さん、母さん」

「おぉ守!起きたのか」

「守ちゃんおはようお茶飲む?」

「飲むよ、お婆ちゃん達は?」

「さっきまで準備をしてたからな、出前の確認でお店に電話をしてるよ」

「お仕事どうなの?」

「大丈夫、順調だよ」

「お父さん達にもお茶を持って行って上げなさい、守ちゃんに会えなくてお父さん寂しいのよ」

「わかったよ」

年始め振りに父さん母さん達に会ったけど相変わらず見た目が若いなぁ…両方童顔で仲睦まじく家族で買い物に出かけると四兄弟にも間違われる時もある程だ、父さんは複雑そうな顔をしているが母さんは若く見られてニコニコしているのが毎度の事だ。


「爺ちゃん入る…」

「守ぅ!!!」

「爺ちゃん久しぶり」

「儂は寂しかったぞ!!正月に会ったがやはり月一で帰ってこんか?」

「ちょっと厳しいよ…」

「秀さん無理言って守を困らせちゃダメよ」

「ぬぅ…」

「連休なんかは申請してみるからさ」

「うむ!!」

「秀さんったら…ほらお茶飲みましょう、出前が来るまでもう暫くだから」

「うむ、今日の出前は寿司と刺身を頼んだからの他の料理は既に出来ておるから出前が来たら花見をするぞ」

「わかったよ、それならお酒の用意とかしなくちゃだね」

「守は秀さんの相手をしてあげて、お酒は女衆がやるからお願いね」

「よし!久しぶりに将棋をやろう!」

「じゃあリビング行こうよ」

「フハハハハハ!!!」


爺ちゃんは将棋が好きだけど凄く弱いひーちゃんにも負けてしまうのだ…

本人は顔をデレデレしてるから問題無いけども。


追記:光秀が勝ったら掴みかかります

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