不意打ちは狡いと思います
開戦三日前、
「店長さん、もう閉店時間になったので店に鍵をかけてきます。」
そういうと、理恵は直売所もとい、二号店の鍵を掛けに行った。
もちろん、ケルを連れて、
「さて、薬の調合も終わったことだ。少し読書でもするか。」
自室に行こうとすると、
ドンドンドン!
扉が激しく叩かれ、
『私です!セリアです!ここを開けてください!』
俺は仕方なく扉を開けると、勢いよく人が入ってきた。それも、
セリア以外の人が、
「おい、いったい何があった?それに、このドレスを着た女は
いったい?」
「落ち着いて聞いてください。獣人国 エターナは人間によって
陥落しました。」
「いつの話だ?」
「つい先ほど、三時間前のことです。」
「そこにいる人たちは誰だ?」
「この国の第一王女と第二王女です。」
「そうか………一つ聞きたい。」
「はい、何でしょうか?」
「今ここに向かっている複数の気配はお前たちの仲間ではないな?」
そういうと、三人は顔を青ざめ震え、怯えた。
「少し待ってろ。すぐに国を取り戻してやる。そうだな、後二時間
後には全て片付いているだろう。」
そう言って俺は、追手と思われるやつらのもとに向かうと、
「た、助け、」
「い、命だけ、ぐはっ!」
ケルが追手を蹂躙している。
「あ、店長さん!」
「どうしてこうなった?」
「それが、突然この人たちが襲ってきたのでケルちゃんに守ってもら
っています。」
「そ、そうか。それより、こいつらを全滅させた後、店に戻ったら、
俺の知り合いがいるからそいつらも待ってくれ。」
「わかりました。それより、店長さんはどこへ向かうのですか?」
「後で説明する。それじゃあ、頼んだぞ。」
「はい!任されました!」
俺はエターナに転移魔法で飛んだ。
セリアルside
「これで終わりです!」
「ぐはっ!」
私、セリアルは現在聖王国軍との戦いに身を投じています。
投じているというより、聖王国軍を蹂躙しています。
おそらく、他国も聖王国軍に攻められているでしょう。
速くこの戦場を後にして、師匠を助けに行かねば!




