従業員が増えることとなりました
追加メンバーを連れ、家に帰ってきたが、
「おい、ケルベロス、『人化』できないのか?」
どうせ通じないだろうと思い、話しかけると、
『その程度のことできるぞ。』
「お前、喋れたのか。」
「ケルちゃんは喋れますよ。一人でいたときによく話し相手になって
もらいました。」
『少し眩しいから目を瞑っていろ。』
ケルベロスがそういうと、ケルベロスの体がおそろしいほどの光を放
ち、どんどん小さくなり、人型になった。
「これが俺の『人化』した姿だ。なかなかのイケメンだろ?」
「いや、五、六歳の男の子の間違いじゃないのか?」
ケルベロスの『人化』した姿は、五、六歳の男の子の姿、髪の色は黒、
眼の色は赤、そして服装は全裸である。
「きゃあああああああああああああああああああ!!!」
「ぐはっ!」
ダンジョンマスターは、ケルベロスをビンタで気絶させてしまった。
「おい、気絶させてどうする。」
「あ、け、ケルちゃん…」
「仕方ない。魔法でサイズが変わる服を持っているからそれでも着さ
せておくから、お前は家の中に入ってろ。」
俺はダンジョンマスターを家の中に入れ、ケルベロスに服を着せた。
「おーい、もう出てきていいぞ。」
ダンジョンマスターは家の中から出てくると、
「ケルちゃんが服を着てる。」
「一応着せてやった。さて、この馬鹿を起こすか。」
俺はケルベロスの耳元で、
「ダンジョンマスターが襲われているぞ!」
と、大きな声で叫ぶと、
「マスター!」
すぐさま起き上がり、警戒状態に入る。
「冗談だ。周りをよく見てみろ。」
きょろきょろとケルベロスは周りを見回すと、
「マスター!御無事で何よりです。」
「俺との態度が違いすぎ。」
「ふん!お前に敬意を払う必要はないからな。」
「まぁいい。それより、お前達はこれからどうするつもりだ?」
「ど、どうしましょう…」
「行くあてもないのであれば、俺の仕事を手伝え。」
そういうと、ダンジョンマスターは、
「わ、分かりました。」
「マスターがそういうのであれば俺も従います。」
こうして、俺の店に従業員が二人増えることとなった。
「そういえば、ダンジョンマスター、お前の名前を聞いてないな。」
「私の名前は森崎理恵です。」
「ケルベロスの名前も教えてくれないか?」
「ケルちゃんはケルちゃんです。」
「………これから、ケルと呼ぶことにしよう。」




