予想外にもほどがある
採掘を始めてから一時間後、俺は素晴らしいものを見つけて
しまった。それは、
「ダンジョンの入口か?」
ダンジョン、それは魔物が徘徊し、奥に進むとダンジョン
マスターがいるという、あのダンジョンだ。
「ふむ、この鉱山にダンジョンがあるという話は聞いたこと
一度もないぞ。だが、現にここにあるというのだから信じる
しかないが、さて、このダンジョンをどうするか?」
そう言ったが、取り敢えず、
「ダンジョンを攻略しよう。ダンジョンコアを砕いて新たな
ポーションを開発しよう。」
俺は自分の欲望と好奇心に逆らえず、ダンジョンに足を踏み
入れた。
ダンジョンの内部は洞窟のようになっており、じめじめして
いる。
「このダンジョンは階層型なのか?それとも、ただ前に進ん
で行くだけのダンジョンなのか?」
そう言っているうちに、
グルルルルルルルル
「魔物か。それも、オルトロスの群れとは処理が面倒だな。」
オルトロスの群れが現れた。
『オルトロス:二つの頭はあるが、意思は一つ。二つの属性
の魔法を使い、素早い動きで敵を翻弄する。』
オルトロスの群れはまず俺を囲み、逃げられないようにする
と、同時に魔法を放ってきたが、
「無駄だ。」
魔法はすべて俺に直撃したが、レベル差によりダメージが
入らない。
俺は、オルトロスを一匹ずつ処理していく。
「さて、オルトロスが現れることが分かった。次はどの魔物
が現れるのか楽しみになって来たな。」
そんなことを言いながら先に進むと、
「ちょっと待て、いくらなんでも早すぎはしないか?」
扉があった。
「この扉はダンジョンマスターのいる部屋の扉だよな?」
念のため自作の図鑑を取り出し調べた結果、
「ダンジョンマスターの部屋だ。」
少しの間俯き、
「俺の好奇心を返せ!」
そう言って扉を蹴破り、部屋に入ると、そこにいたのは
「だ、誰ですか?」
「………人?」
魔物ではなく、人間がいた。




