まさか、あれがないだと!?
ゴリゴリ、バキッ!
「あ、すりこぎ棒が壊れた。…予備はあったか?」
探してみたが、
「無い。仕方がない、買いに行くか。」
買い物に出かけてみたものの、
「何故だ。町にもないとなるともうどうしようもないぞ。」
俺は本当に嫌々だが、セリアにすりこぎ棒の注文に向かったが、
「え?すりこぎ棒?何ですかそのおかしな名前?」
「無いのか?」
「はい、ありませんよ。」
俺は少しショックを受けたが無いものは仕方がない。
「そうだ、魔王国に行けばあるかもしれない。それに、報酬、
貰ってなかったな。」
善は急げ
俺はすぐさま転移魔法を使い、魔王国の魔神の森に転移した。
そこから、町まで全力で走っていき、門で身分証(偽名)を
使い、町に入った。
「さて、どこかにポーションを売っている店があればいいの
だが。」
そんなことを言っていると、
「あぁぁぁぁ!」
「うん?お前はハイネか。」
ちょうどいいところにハイネが現れたので、ポーションを
売っている店の場所を尋ねた結果、
「知ってますよ。」
「案内しろ。それと、昨日の報酬をよこせ。」
「報酬の件は上司と相談してからです。肝心なことを聞き忘
れていましたが、報酬は何を望んでいるんですか?」
「香辛料だ。この国で入手できる香辛料を各種一キロずつだ。」
「分かりました。報酬についてはまた上司と相談しておきます。」
「では、早く案内しろ。その前に、一つ尋ねたいことがあるの
だが?」
「何ですか?」
「すりこぎ棒というものは知っているか?」
「え?知ってますけど。普通にポーションなどを取り扱っている
店で買えますよ。」
「では、案内しろ。」
「分かりました。」
俺はハイネに連れられてポーションを売っている店にたどり着いた
「ここがそうです。」
中に入ると、俺の使っている調合室と似たような臭いがする。
近くの棚をみると、すりこぎ棒が普通に置いていたので買い占めた
「あの、買いすぎでは?」
「俺は力が強いからすぐに壊れてしまうから、これくらいは必要
なんだよ。」
「そ、そうですか。」
「今日は助かった。ありがとう。そういえば、スタンピードについ
てはどうするんだ?」
気になって尋ねてみると、
「一応、国中の冒険者を集め、モンスターの討伐を頼むつもりです。」
「そうか。なら、俺も手伝ってやろう。」
そういうと、ハイネは目を輝かせ、
「本当ですか!」
「本当だ。そういえば、戦争についてはどうするんだ?」
「そのことですか。単純ですけど、町は冒険者たちに任せて、戦争は
騎士たちが行くことになっています。」
「なるほど。なら、俺は戦争とスタンピード、両方を相手にすること
になるのか。」
「そうなのですか?」
「あぁ、まぁ頑張ってみるか。俺はもう帰るからな。」
「はい、では今度会うときは戦場で。」
「またな。」
そう言って俺は転移魔法で家に帰った。




