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聖王国の工作員です

 さて、まさかこんなところに俺以外の人間がいるとは思いもしなかったな。


 俺は現れた三人の人間の姿を見て、少し気付いたことがあった。それは、


 「お前ら、聖王国の奴らだろ?」


 「ほぉ、何故そう思われたのか、理由をお尋ねしても?」


 「簡単だ。聖王国の神官連中、特に工作員は全員、星の形をしたペンダント

 をつけているからな。魔族の姿をしていようが、そのペンダントでバレバレ

 だ。」


 そういうと、工作員たちは変装を解き、人間の姿に戻った。


 「一つ聞きたいことがあるのだが、いいか?」


 「なんでしょう?」


 「お前たちがこの森でスタンピードを起こしたな?」


 「どうしてそう思ったのですか?」


 「お前たちの懐に入っているアイテム『魔素の御香』が俺にははっきりと見

 えている。」


 『魔素の御香:意図的に小規模だが魔素暴走を起こすことができる』


 「はぁ、ばれてましたか。」


 そういうと、懐から『魔素の御香』だした。


 「…お前たち、何故自分の行ったこと更には正体まで偽ろうとしない?普通

 正体がばれた時点で俺たちを殺さなければならないと思うのだが?」


 「あぁ、そのことですか。では、今から殺しましょうか。」


 工作員たちはそれぞれの武器を持ち、攻撃を仕掛けようとしたが、


 「あ、あれ?」


 三人ともその場で倒れてしまう。


 「一つ、言わせてもらいたいことがある。お前達、工作員としてはド素人以下

 だな。」


 何故工作員たちが倒れ、動けなくなったのには理由がある。

 まず、『麻痺蜂』を周囲に放っていたので、相手が敵対行動をとった瞬間に

 刺せと命令したので、このような状態になっている。


 「おい、女騎士。」


 「女騎士ではありません。ハイネ・グルートです。」


 「じゃあ、ハイネ。こいつらを縛り上げて、お前の所属する騎士団に渡すぞ」


 「そうですね。このような事態を引き起こした人たちですから。私、拷問って

 得意なんですよ。」


 「そんなことはどうでもいいから、行くぞ。」


 俺はハイネに案内されて、騎士団がいる森の外に向かった。






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