人間さんが現れました
「さて、手伝うといったが、お前はこの森でなにが起きているのか知っている
のか?」
「勿論です!不思議なことが起きているのですよね?」
俺は頭を抱えそうになったが、グッと堪え、
「この森で起きていることは、魔物の異常な進化のことだ。分かったか?」
「そ、そんなことが起きていたのですね!」
「はぁ~、今からお前に質問をする。まず、魔物はどうやったら進化するのか
知っているのか?」
「え?自然に進化するのではないのですか?」
…予想以上の馬鹿だったか。
「魔物の進化について説明してやるからよーーーーく、聴け。」
「はい!」
「まず、魔物という生物は魔素というものからできている。」
「あの、魔素とはいったいなんなのでしょうか?」
俺はまた頭を抱えそうになったが、何とか堪えることでき、
「魔素というのは、大気中に漂っている魔力のことだ。魔物はその魔力を一定
量吸収することで進化する。というわけで、この森で起きていることをざっく
り説明すると、この森の魔素が何らかの原因で増大し、それを吸収した魔物た
ちが進化したというわけだ。」
「なるほど。では、魔素が増大した原因を特定できれば、」
「この問題は解決するというわけだ。まぁ、魔素が急に増大した原因はもう
分かっている。」
「そ、そうなのですか!?」
「あぁ、原因は、『魔素暴走』だ。」
「『魔素暴走』?」
「『魔素暴走』というのは、その名のとおり、魔素が暴走することだ。通常、
魔素というのは漂っているだけの存在だが、稀に魔素が集まり、その場を覆い
つくすことがある。そういう時、大量の魔素に覆い尽くされた場所に存在する
魔物は急激な進化を遂げる。それが『魔素暴走』だ。お前たち風に言うのであ
れば、スタンピードという。」
「スタンピードですってぇぇぇ!?た、大変です!みんなに伝えないと!」
そう言って急ぐ女騎士をいったん捕獲。
「何をするのですか!?」
「黙れ。おい!そこにいる奴ら、出て来いよ!」
そういうと、人間が三人現れた




