対面したようです
四日後、ようやくギルドマスターが帰ってきてくれたおかげで、俺は仕事、
というよりも、強制労働から解放された。
さて、帰ってきたギルドマスターを見ると、何故か体が前回見たときよりも
大きくなっている。
「おい、ギルマス、あんた、いったい何をしたらそんな体になったんだ?」
「ふははは!久しぶりに体を動かしたらこうなっただけだ!」
「説明になっていないぞ。」
「それよりも、バハムート王国に向かうぞ。」
「分かった。」
俺はギルマスとセリア達を連れ、バハムート王国に転移した。
「ここがバハムート王国の城内だ。今から国王の執務室に向かうからついて
こい。」
案内すること十分、到着したのはいいが、
「貴様ら!いったい何者だ!」
執務室の入口で止められてしまったので、
「ふん!」
俺は騎士二人を持ち上げ、扉に向かってぶつけると、なんと、国王が驚いた
顔でこちらを見ているではありませんか。
「はぁ~、部屋に騎士を投げ込むのは予想しておらんかった。」
「どうでもいいから、決闘をさせてほしそうにしているやつがいるから早く
案内してくれ。」
国王の案内の元、俺たちは騎士団の訓練場のような場所にたどり着いた。
「ここで決闘をしてもらう。それにしても、ダイダスのやつはどこに?」
国王がそういうと、
「父上!」
声のする方に振り向くと、憎たらしいほどのイケメンがそこに立っているで
はないか。この男こそ、ダイダス・バハムート、この国の第一王子だ。
「おぉ、ダイダス、いたのか。」
「はい、それより、ペイルダという方はどなたですか?」
「わ、私ですが。」
ペイルダがゆっくりと手を上げると、その手をダイダスが握りしめ、
「貴方がペイルダですか!美しい、何と美しいのでしょうか!ぜひとも私と
結婚を!」
その言葉をこの場で言ってしまった。俺はもう知らんぞ。
「おい、貴様か!?うちの娘に手を出そうとしているやつは!」
「はい!もしかしてペイルダのお父様ですか?」
「あぁ、そうだ。貴様、ペイルダを何の敬称もつけずに呼び捨てとは、万死
に値する!それと、俺のことをお父様と呼ぶんじゃねぇ!家の娘が欲しけれ
ば、俺を倒してからにしろ!」
「分かりました!全力で挑ませていただきます!」
俺は今すぐ戦いそうな二人をいったん落ち着かせることにする。
「ヒートアップしているところ悪いが一度頭を冷やせ。まだ決闘のルールも
説明していないのに戦おうとするな。」
そういうと、二人は落ち着き、ルール説明を始めることとなった。…何故俺
が審判なんぞすることになってるんだ?




