どうしてこうなったのでしょうか?
話を聞いた結果、この馬鹿どもは父親に何も言わず、縁談を進めようとした
ようです。
「で、何故話さなかった?」
「実は、お父さんがこの縁談を快く思っていなかったそうなので、お父さ
んが気付かないうちに戻ってこられないところまで持っていこうと思いま
して。」
「なるほど、話は分かったが………何故おまえたちの父親が俺を睨んでいる
んだ?」
「「さぁ?」」
そんなことを言っていると、ギルドマスターもとい、こいつらの父親が二階
から下りてくると、
ガシッ
「何だこの手は?」
俺は胸ぐらをつかまれ持ち上げられた。
「貴様か!ペイルダに縁談を持ち込んだ奴ってのは!」
「あぁ、そうだが、何か問題でも?」
「大ありだ!どこの馬の骨とも知らねぇ奴にうちの娘はやらん!」
ある疑問が浮かんだのでペイルダに少し尋ねてみよう。
「ペイルダ、お前、誰との縁談かを言っていないのか?」
「そういえば、言っていない。」
俺はギルドマスターに向き直り、
「おい、ペイルダの今回の縁談の相手は、バハムート王国第一王子のダイダス
だから、そう簡単には断れないからな。」
そう言ってやると、
「上等だ!そんな若造俺が叩きのめしてやる!ペイルダと結婚したいのならば
俺を倒してからにしろと言っておけ!」
「…本当にそう言っていいのか?」
「当たり前だ!」
「分かった。では四日後に戦ってもらい、ダイダスが勝てばペイルダを嫁に
やる。負ければ、ペイルダは結婚しない。これでいいな?」
「何が良いのか知らないが、第一王子にそう言っておけ!」
俺は転移魔法を使い、バハムート王国の国王の執務室に転移すると、先ほど
の伝言を伝えた。
「なるほど。では決闘場所はこちらで提供すると伝えておいてくれ。」
「はぁ、それにしても、何故おれがメッセンジャーみたいな役割をしている
んだ?」
「それを言われても…」
「まぁいい。では、今度こそ、四日後に。」
そう言って俺は転移し、また商館に戻ってき、伝言を伝えると、
「よしっ!徹底的叩きのめしてやるぜ!おい!俺はこれから四日、鍛えてく
るから誰か俺の代わりをしておいてくれ!じゃあな!」
そういうと、ギルドマスターはどこかに行ってしまった。
「…俺は帰るからな。」
俺は嫌な予感がしたので帰ろうとすると、
「待ってください。お父さんの代わりをお願いしてもいいですか?」
「嫌だ!俺には店があるんだ!」
「たいして誰も来ないでしょう!いいから、手伝ってください!」
こうして俺は四日間、ギルドの仕事に追われることになってしまった。




