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婚約話のようです2


 「で、どうしてこんな奴と婚約をしてほしいのか理由を説明してもらおう

 か?」


 「それは、」


 セリアが言うには、セリアはとある豪商の娘の一人で、婚約話がおそろし

 いほど舞い込んでくるそうだ。そして、その姉の確か名前は………そうだ

 った、ペイルダだ。そのペイルダにも婚約話が舞い込んでくるそうで、い

 つもは丁重に断っているそうだが、今回の相手は、この国の王族、それも

 女好きで有名な第一王子からの婚約なので、断ろうにも断れないことにな

 ってしまった。

 しかし、ちょうど、俺、フェイズという存在がいるおかげで、断れるかも

 しれない。そう思った二人は急いで俺のもとに向かい現在の状況に至るわ

 けだが、


 「面倒だから、俺が直接婚約話を断ってやろうか?一応、この国の国王と

 も知り合いだからな。」


 「それは、さすがに頼りすぎだと思うので、もうちょっと婉曲な方法かつ

 禍根を残さないようにできませんか?」


 「そうなると………そうだ。ペイルダ、お前、強い男が好きだと言ってい

 たな?」


 「そうだけど。それがどうかしたの?」


 「なら、話しが早い。お前にいい婚約話をやろう。」


 「だから、私は婚約をするつもりは、」


 「落ち着け、相手はかなり強い龍族の国バハムート王国の第一王子だ。」


 そういうと、ペイルダは固まり、


 「あの第一王子?」


 「その第一王子だ。俺ほどではないが、強くて賢く義理堅い男だ。」


 「ほ、本当にいいの?」


 「何がだ?」


 「私みたいな相手で釣り合うかな?」


 気持ちが悪いくらいに乙女モードに入ったペイルダを見てしまった俺は心

 底吐き気がしたので、この話を早く終わらせようと思った。


 「おい、脳内花畑女、妄想から戻ってこい。」


 「はっ!私は何を?それより、今の話は本当?」

 

 「本当だ。お前ならあいつも気にいるだろう。」


 「私は今までお前に憎悪の感情しか向けてこなかったが、今は感謝してい

 る。」


 「はいはい。俺は今から、あいつに話を通してくるからちょっと待ってろ。」


 そう言って俺は龍族の国の王城内に転移し、


 「おい、国王。」


 「うおっ!な、なんだ!?」


 「俺だ。セリアルの師匠だ。今日はお前の息子の第一王子に婚約話を持っ

 てきた。」


 「何?………相手は誰だ?」


 「ペイルダという、冒険者の女だ。確かランクはSSSランクだったはずだ。

 追加要素は美人に明晰、さらには強い。これ以上ないといってもいいぞ。」


 「ふむ、明日、そのものを連れてきてもらえないか?」


 「分かった。」


 俺は転移し自宅に戻り、二人に説明をし、一度父親と相談し、婚約に関し

 て許可がもらえたらもう一度ここに来いといって帰ってもらった。


 「まったく、また面倒ごとか。」


 俺は今日はもう寝ることにした。








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