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助手ができました


 さて、家にこの少年を連れて帰って来たのはいいが、


 「あの!僕はこれからどうしたらいいでしょうか?」


 「いや、お前が連れて行ってくれと頼んだから連れてきただけだ。家に帰り

 たければ帰れ。家まで送ってやるから。」


 そういうと、少年は俯き、


 「…家はありません。」


 「は?」


 「僕は先程捨てられました。ですからこれからどうしたらいいのか…」


 ヤバいぞこれは、何故か悪いことをしたようになった感じがして罪悪感で心

 が抉られる。


 「わ、分かった。俺がお前の面倒を見てやる。ただし、少年、お前は俺の助

 手として働け。いいな?」


 少年は勢いよく頭を上げ、


 「ありがとうございます!あ、それと…」


 「それと、なんだ?」


 「い、いえ、なんでもありません。」


 「そうか。なら、臭いから風呂に入ってこい。」


 俺が少年に言うと、少年は自分の服の臭いを確かめた後、


 「あの、着替えはありますか?」


 「勿論ある。魔法によって大きさが変わる服だ。大きさは着れば勝手に調節

 してくれるから安心しろ。」


 「ありがとうございます!」


 「ほら、下着に靴に服だ。ここにいる限りは衣食住と命の心配はないから安

 心しろ。」


 「はい!」


 「風呂は家の裏にあるから行ってこい。」


 そう言って少年を風呂まで送り届けた後、俺は少しだけ少年の生い立ちを想

 像してみた。

 

 (あの少年はおそらく貴族だ。それも、家族から嫌われていた。だから、捨

 てられたというわけか。いや、そんな理由では捨てるはずはないから、おそ

 らく魔力がないとかそういう理由だろう。)


 そんなことを考えていたが、暇になったので、薬を作ることにした。





 一時間後




 「ようやく風呂から出てきたか。」


 「はい!気持ちよくてつい。」


 「まぁいい。それより、お前の部屋に案内するからついてこい。」


 「はい!」


 俺は少年に部屋を与え、着替えの服と下着に靴を渡した後、また薬作りをし

 ようとしたが、


 「あの、お腹がすきました。」


 「そうか。もうそんな時間か。」


 俺は少年とともに一階に降りてきた。


 「少年、料理を作る前に自己紹介をしたいと思うのだが。」


 「そうですね。」


 「俺の名前はフェイズだ。」


 そういうと、少年は固まり、


 「ふぇふぇふぇふぇ、フェイズ!?あの、フェイズですか!?」


 「どのフェイズか知らないが、本物だぞ。それより、お前の名前は?」


 「は、はい!ぼ、僕の名前はセリ…いえ、カミナです!」


 「お前は嘘をつくのが下手なのはよくわかった。まぁ、今のところはカミナ

 ということにしてやる。ほら、料理を作るからお前も手伝えカミナ。それと

 俺のことは師匠と呼べ。」


 「はい!師匠!」


 こうして俺に助手ができました。








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