三人の冒険者志願者が来たようです
「さて、鬱陶しい奴らが帰ったことだ。…調合でもしよう。」
俺が家に入ろうとすると、
「助けてくれ!」
後ろから声をかけられたので振り向くと、少年一人少女二人の見た目十七歳
のパーティーが助けを求めている。が、
バタン、ガチャッ
家に入り鍵を閉め、居留守を使うことにした。
『あ、開けてくれ!このままじゃゴブリンの群れに襲われる!』
「嫌だ。面倒ごとはもう御免だ。安心しろ、骨は拾ってやる。」
『お、御願いです!開けてください!』
『お願いします!』
俺はどうするか迷ったが、あることを思いついたので、助けることにした。
家の鍵を開けると、三人が飛び込むように入ってくる。
「た、助かった。」
「「よかったよぉぉぉ。」」
「おい、お前たちは棚にあるポーションで怪我を直せ、血で床を汚されたら
困るからな。」
「はい。ですが、ゴブリンたちはどうするのですか?」
「今から虐殺してくる。そこで待ってろ。」
そう言って、三人を家の中に残し、ゴブリンの群れを虐殺しに行く。
「さて、ゴブリンは、まだここには到着してないようだな。なら、『探知』
を使うか。」
俺は『暗殺者』のスキルの中にあるスキル『探知』を発動させ、ゴブリンの
位置を把握し、蹂躙を開始する。
「『影狼』。」
スキルを発動すると、俺の影から黒い狼が十匹ほど現れた。
「この家に近づいてくるゴブリンどもを殲滅しろ。」
そう命令すると、狼たちが森の中に入って行く。
「さて、後は待つだけだ。」
待つこと二分、遠くから叫び声が聞こえてきた。もちろん、ゴブリンの叫び
声だ。その後、十分ほど待つと、狼が戻ってきた。
「終わったようだな。戻れ。」
狼たちは、その言葉に従い、俺の影の中に入って行く。俺は家の中に入り、
三人にゴブリンが全滅したことを説明すると、
「どうやってこの短時間に倒したんだ?」
まぁ、そう質問してくるのを予想していたから、
「俺のスキルだ。それ以上は詮索するな。」
少年は仕方なさそうに引き下がった。
「ほら、さっさと帰れ。ゴブリンの討伐証明部位は耳だろ?取りたいのなら
好きなだけ取ってこい。俺はいらないからな。ゴブリンの死体は森の中にあ
るからな。」
「あの、俺たちはまだ冒険者じゃないぞ。」
「そうだったのか。なら、金になるから取ってくればいい。冒険者になりた
いのなら金は必要だからな。」
そういうと、少年たちは黙り込み、何故か小さな声で話し始め、何か決まっ
たのか、俺に向き直り、
「「「俺(私)達を弟子にしてください!」」」
…どういうこと?




