表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心温抽出機  作者: ライス伯爵とタマゴ王子
5/14

2発目

2人目は中島っていう宗教家でね、お祈りが大好きなやつだったよ。いつもアパートにこもっていてね…


30日目 p.m.23;52

「よう、中島。」

「ヘロ様!」

「私はヘロ様ではない。」

「じゃあ何だというんです。どこからともなく暗闇から現れる背の高い男、ヘロ様としか思えません。」

「私が暗闇から現れるのは、お前の部屋が電気を止められているからだ。」

「だって…」

「ん?」

「信じていれば、必ず何かいいことが起こる。そう言ったじゃないですか。」


電気を止められているのはいいことに含まれているのか?私は考える。


「…身に覚えがないな。」

「またまた。私は必ず見守っている、他人のふりをして。これもあなたのお言葉ですよ。」

「信じているのか?」

「はい。」そこで中島と私は同時に言う。


信じていれば、必ず何かいいことが起こる。


時計を見る。

長針と短針は協力して23時55分を表していた。

「あと5分だ。怖くないのか?」

「怖くないですよ。ヘロ様がいるんですから。」

「そうか。そいつもきっと嬉しいだろうな。」

「またまた。他人のふりをして。」


他人なんだよな。

私は内心そう思う。

そうしているうちに中島は呪文のようなものを唱え始めた。


ヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘ…


ヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘロヘ…


私は時計の針を見る。長針と短針が完全に重なる瞬間、私は指を鳴らす。


「中島。時計を見ろ。」

「あっ…24時2分。…なのに生きてる。」中島が私を見る。私は言う。

「信じていれば、必ず何かいいことが起こる。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ