第九話 お風呂
外を見ながら考えていた。
僕はこれからどうすればいいのか。このまま女の子として生活するしかないのか。
起きて夕食を食べているときも家族はみんな普通だった。何も違和感のない食卓。
何が原因でこうなったのかはさっぱりわからない。でも戻る方法がわからない以上このまま生活するしかないんじゃないだろうか。
誰か、いい方法があったら教えて欲しいくらいだ。この前からどうも不特定多数の人に覗かれてる気がするからな。
「お姉ちゃん、お風呂あいたよ。」
「うん。」
結が火照った体のまま部屋に入ってくる。僕もお風呂に入らなくちゃ。
脱衣所で服を脱ぐ。ブラとショーツ。ブラの外し方がよくわからなかったが意外とあっさり取ることが出来た。
裸になって風呂場に入る。
目の前の大きい鏡に自分の姿が映った。
髪が長い。胸がある。何カップなのかはわからないけど、程々にはあるように思える。
茜より大きいんじゃないだろうか。こんな事を言ったら怒られそうだが。
そして男の子の大切なものがついていない。
女の子に憧れてはいたが、今まで15年以上男として生活してきたんだ。
自分のアイデンティティが崩れた気がした。
お風呂から上がって服を着ようとして気づいた。
寝るときってブラするのかな?
困ったときの茜さんだ。茜に電話してみよう。とりあえずブラは持って部屋に駆け込む。
「もしも〜し、どうしたの?美樹ちゃーん。」
「もう、ふざけないでよ。聞きたいことあるんだけどさ、ブラって寝るときつけるの?」
「う〜ん。人によって違うんだけど、私はつけないかな〜」
「どうして?」
「ん〜…寝るときまでついてたら何か嫌だから?」
「そういうものなんだ…ありがとう茜。」
「また何かあったら電話してきていいからね。」
「うん。じゃあばいばい。」
さて、茜はつけないで寝るらしい。僕はどうしようかな。
慣れるためにつけるか、違和感があるから外すか…
無駄に悩むな…
明日、作者にとっての重大イベントがあります。
その状況によっては某所へ行かなければなりません。
その場合明日の更新は出来なくなりますので、お知らせしておきます。