第二話 変身
朝―
朝日が目に入り目が覚めた。
「ん〜、今日はよく寝た気がする…」
そこで何か違和感があることに気づいた。
声が変だ。
布団を剥いで体を起こす。
自分の体を見てさらに気が付いた。
「パジャマがピンクに見えるのは気のせいか…?」
顔を叩いて見る。つねってみる。
「どう…見ても…ピンク…だよね…?」
パジャマを見てるうちに更に次の発見。
体の前に2つ、以前は無かった丸い塊がある。
「・・・・・・・!!!!」
パンツの中を覗く。
「……ない……」
男の大切なものがない。
顔を思い切りはたいてみた。
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ダッシュで部屋の前の洗面台へ。
鏡の中には肩までかかるセミロングで綺麗な黒髪、整った顔をした女の子が左頬に手の跡をつけてたたずんでいた。
右手を上げる。鏡の中の女の子も上げる。
左手も上げる。女の子も上げる。
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ダッシュで部屋に戻る。
服を脱ぐ。ブラジャーにショーツ。トランクスなんてものは穿いていない。
クローゼットの中を見る。見知った服が1つもない。
机の引き出しから去年の修学旅行で撮った写真を取り出す。
男4人女2人の6人班だったはずが、男3人女3人になっている。
消えた男―義樹
増えた女―鏡の中にいた女の子
「ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待って。僕、変身なんか出来たっけ?」
そんな仮面ラ○ダーとかなんとかレンジャーじゃあるまいし。
「じゃあ女になれたの?・・やった!・・・ってなんでだよ!」
「落ち着け落ち着けおち…」
「ご飯だよー!」
母さんの声が響いた。
僕はどうすればいいんだ?
2話目です。
とりあえず毎日1話づつ更新ということでお願いします。