第十四話 対抗戦
「対抗戦のメンバー決めるぞー」
そう担任が言ったのは4月の終わりごろのLHRで。
この学校と近くの学校での対抗戦のことだ。
毎年5月の初めに行われている。
毎年交互に場所を変えて行う。
今年はこの学校の番だ。
「男子は窓側で、女子は廊下側行ってそれぞれ話し合ってな」
僕はもう間違って男子の方に行きそうになるようなことは無かった。
この状態に順応してるな。
「じゃあどれやりたいか一人づつ言ってって」
女子の方では委員長が声を上げる。
どこのクラスでも最初に委員長になった人はあだ名が委員長になる。
これは昔からそうなのではないだろうか。
みんながやりたいものを言って、さらに調整した結果、僕とみのりは玉入れ。茜と彩子が綱引きに出ることになった。
あれ?と思った人。僕たちは2週間くらいの間に名前で呼び合うようになったことは言っておこう。
そして対抗戦の日が来た。
対抗戦までの練習はない。少なくともこの学校ではやらない。これは毎年だ。
つまりぶっつけ本番。それでもなんとかなってるんだけど。
ちなみにうちの学校の16連勝中だ。16年連続で勝利してる。
学校対抗の運動会のようなものと部活の対抗戦で勝敗を決するものだ。
午前中に学校対抗、午後から部活の試合をする。
今は男子の綱引きをやっているところだ。
次は僕とみのりが出る玉入れだ。
「みのり、そろそろ下降りよう」
「そうだね」
ギャラリーから体育館に降りる。
綱引きが終わった。ようやく玉入れが始まる。