第十一話 更衣室
体育なんてどうすればいいんだろう…
この学校の体育は男女別に行われる。僕は今は女の子。この前までは男の子。
もちろんこの前までは男子体育をしていた。
この状態でもし男子体育に出たら大変なことになるだろう。
「どうしたの?小山さん」
「え?あ、あれ?坂井さん?」
「何ぼーっとしてるの?SHR終わったよ?」
「え?いつのまに…」
考えているうちに1限目が始まりそうだ。
「どうしたの?2人とも。早く更衣室行かないと。」
茜と高本さんがジャージを持って僕たちの所に来た。
ちなみにこの学校の体育は全員が指定のジャージですることになっている。
僕はジャージをロッカーから取り出してみんなに付いていった。
「ねぇ茜…僕…じゃないや。私…どうしたらいいの?」
「あ、そっか。大丈夫じゃない?今は女の子なんだし。」
「そんなこと言ったって…一応男なんだから…」
結局茜に女子更衣室に連れ込まれてしまった。
女の子がみんなで着替えている。
当たり前だが僕は女子更衣室に入ったのは初めてだ。
今は女の子に見えるけどれっきとした男のはずだ。
僕は目のやり場に困って、隅に行ってこそこそと着替えた。
「何こそこそしてんの!美樹ー!」
「ふひゃあ! ちょ、ちょっと高本さん!」
「『ふひゃあ』だって。かっわいい。美樹意外と胸大きいんだね〜。」
後ろから高本さんに胸を揉まれて変な声を出してしまった…
胸揉まれるって変な感じ…
よく考えたらいつの間にか高本さんに名前で呼ばれてるし。
まぁ仲良くなったみたいでうれしいけど。
「ちょっと彩子は何セクハラしてんの!早くしないとチャイムなるよ!」
「セクハラなんてしてないよ。コミュニケーションだって。コミュニケーション。ね?美樹?」
「え?そ…そうなの?…」
「ほら!やっぱりセクハラでしょ。」
「むー。そんなこと言って茜も触られたいんでしょ!」
「きゃ――――!やめ!ちょっと!」
あー茜が必死に抵抗してるけどやられ放題だなぁ…
「3人とも早くしないとホントにチャイムなるよー。」
坂井さんが声を掛けてきた。
「あ。みのりゴメーン。ほら、茜行くよ!」
「あんたのせいでしょうが…」
「知らないね〜。美樹いこっ。」
「ちょっと待ちなさいよー」
坂井さんを先頭に僕は高本さんに手を引かれて更衣室を出た。
「あやこ――――――!!!!!」
茜の叫び声を背中に聞きながら…
これから4月になるまで更新出来ない日があるかもしれません。
引越しをしなくてはいけないので。
出来るだけ更新していきたいのですが。