第三話 悪魔殺し
手を左目の前までもってくる。
そして何かを掴む。
イメージは眼帯。
眼の開放を防ぐ眼帯。
それを解き放った。
「あ、ああ」
それを使うための知識が一気に脳に流れ込む。
まるで津波のように。
苦しい。
頭が痛い。
だが、それを乗り越えれば。
きっと今度は助けられる
ならば、絶対に耐え切ろう。
情報は収束し始めた。
後もうすこし。
最後の情報を開ける。
初めて開放した時のことだった。
「あ、ああ」
それは地獄。
それはこの世の終わりに見えた。
俺のハジメ。
悪魔が攻めてきた、と俺は病院で聞いた。
理由はわからない。
その時の記憶はおぼろげでまるで作り物の物語を見ているようだった。
俺は悪魔が攻めてきた村の最後の生き残りだった。
俺はこの手で悪魔を殺した。
そのことだけは覚えていた。
ただその方法は分からなかった。
今その方法が分かった。
情報を閉じる。
解放のための仕方も分かる。
「我が左眼を解放」
左眼から見える景色は紅一色のみ。
「お前その目は!? 」
悪魔が驚いている。
だがその事実は俺には不要だ。
「燃えろ悪魔。終炎の眼」
左眼から炎が解放された。
その炎は一直線に悪魔に向かう。
「グアアアアアア!! ……成程な。彼の有名な悪魔を滅ぼした眼か。
私が勝ちうる道理はなかったか」
そういって悪魔は消えた。
ようやく倒せた。
その安心感からか糸がぷつりと切れたかのように力が抜けていく。
「っ! アレン! 」
駆け寄ってくるエミリーの姿を見ながら意識は落ちていった。