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短いので今日2回目更新します。
黄昏時の裏通りを、ふたりは歩いていく。
こげ茶の帽子を目深にかぶったリュシアンは、斜め後方を黙って従うローズにちらりと視線を向けた。
「また、仮面をつけてるんだね」
ローズが纏っているのは冒険者のような皮の胸当てと粗末な防具。すっぽりかぶったマントのフードから、鼻の下までを覆う仮面の上がちらりと見える。
後ろ暗い経緯で冒険者になった者には、ありがちな装いだ。日の当たる道を生きている住民なら、勝手に目を逸らしてくれる。
……変装にはもってこいだ。さらりとこんな服を出してくるあたり、今は王家に使える身とはいえ、日の当たるところだけを歩いてきたわけではないのかもしれない。
「王太子殿下に命じられましたので。……おそらく、顔に目立つ傷があるからでしょう」
「……ふうん?」
聞いてはみたものの、さして興味もなさげに、リュシアンはまた前を向いた。
「戦士にとっては勇気の証だろう? 隠すことでもないのにね」
それからまた、ふたりは無言で歩を進めた。




