ある少女そして王都アロカルト
今回も本作品を閲覧いただいたことに感謝です!まだまだ作者は初心者です温かい目で見ていただけると嬉しいです!正直言ってしまうと前書き書くのもなれないので下手くそです笑
「来たか。準備は出来たな?」
正直自分は準備も何も自分自身の名前しか知らないのだ。できているかと言われれば否定するが、場の空気的にも「大丈夫です!行きましょう!」こう言わざるを得ないだろうが……「よし、ならば前にある馬車に乗ってくれ。荷物とかは僕たちが入れておくから」
そう言って俺の荷物とされているものを運び始めたがこれじゃ引越しする時にあの大型トラックにものを詰め込んでくみたいに見えてきて笑いそうになったが堪えた。俺は言われた通り馬車に乗る。到着までにはどれほどかかるのだろう……俺は少し気になって前にいる自分と同じくらいの年の何やらすごく分厚い本を読む少女に聞いてみた。「ここからならどれくらいで着くか分かる?」するとその少女は、「え、えぇっと、あの……い、1時間…ほどでしょうか……。」と少し細い声で言ったのだった。この少女の話し方を見てると俺が本を読むのを邪魔をしてしまっただろうか、それともただ単に人付き合いが苦手なのだろうか……少し申し訳なくなった俺は「す、すまない。いきなり聞いて……俺もいろいろあってな時間を知りたかったところなんだよ」と頭を何度か下げながら言う。すると「そ、そんな……あ、頭を下げなくても……」やっぱりだ…多分人と話すのが苦手なのだろう……んーどうやって時間を潰そう……そうだ、「ねぇちょっと、」「僕ですか?もう……いい加減名前で呼んでくださいよ。ロノアだよ。で?どうかしたの?」「あ、あぁすまないロノア……そのぉ紙とペンないか?」「紙とペンですか?またですか……そういうと思い持ってきてますよ」と、俺に渡してきた。しかし……“また”か……俺がこの体に宿るまでこの体の持ち主は何をしていたのだろうか……勉強熱心だったのか?そんなことはどうでもいいか……「ありがとう!」「全く何をいつも書いてるかは知りませんが学園に行っても夜遅くまで起きてると怒られますからね」「わ、分かったよ」と俺は紙を広げペンを握る……
こいつ夜遅くまで起きてたのか……この体の持ち主も引きこもりの初心者になるところだったのか……でも俺は今日から引きこもりは卒業だ……あ!そうだった!
学園生活が始まろうとしていることを忘れていた猛烈に、それは猛烈に俺は悩む。「どうしよう……前世じゃろくに学校に行くことも少ないのに……いや、この世界は常識が違うかもしれない……ならば……」と俺が悩んでいると「す、少し落ち着きませんか……?」とさっきよりも少し流暢に未だに本を読む少女が話しかけてきた。「こ、これは失礼……」俺は今紙とペンを握っている……実は俺引きこもりと言ってもただの引きこもりでは無い。もちろんゲームやアニメなどは楽しんでいたがもうひとつ……俺は数学が好きだと少し足を突っ込んだ程度……そこらの人よりはできてはいた実際、前世では数学に関しては成績1位を取っていたし……嘘ではないよ?というわけでこの世界にはゲームは愚か、持ち運べる娯楽がないから紙にいろいろ数式を書いてみる。すると「荷物の積み込み終わりました!」「了解です!ではこのまま学園へと出発しまーす!」と馬車が走り出そうとしていた。するとさっきのロノアという人が「本当に気をつけて過ごすんだぞ?僕は君に期待している。なぜならこの僕の目が君が偉大なことを成し遂げるだろうと見通しているからだ!」「そ、そうですか……ではまた会える日まで……」「さようなら!体にはちゃんと気をつけるようにね!」となんだかすごい送り出し方をされたのだった。
出発してからしばらく俺は馬車の隙間から入り込む風を受けながら考える……未だに俺のペンは止まってはいないというか止めたらなんだかいろいろまた混乱しそうだから気を紛らわしているのである。「しかしながら……もしあの言葉が本当に叶っているのなら俺が“エネルギーを操る力”というやらも使えるのだろうか……まぁ今は考える程でも無いか……」あの言葉が今のところ実現している。しかし最後のあの言葉に関しては未だに分かってはいない。時が経つ次第明らかになるだろう。そう思っているとずっと口を閉ざしていた少女が「あ、あの……先程から何を書かれているのですか…?」と少し興味があるような目をしながら聞いてくるしかしこの世界の人々にはこれが理解できるのだろうか……俺が持つ紙には様々な数式が書かれている。無意識に書かれたもので今すぐ説明しろと言われると少し時間がいるが……「これはね……数式って言って様々な関係が成り立っているって言うことを数字や記号で表したものなんだ」と答えた。すると「数式ですか……初めて実物を見るもので……この本に書かれているような記号は使われていますし……本物なんですね」と少し意味深な言葉を発した。俺はその本とやらに興味を持って「ちょっとその本を見せてもらってもいい?」と聞いた。すると「この本ですか?別に良いですけど…あまり役に立つことは……」といろいろボソボソ言いながら渡してきた。俺はその本の表紙を見た。すると表紙には“太古の学問と魔法学の関係性”とあった。
「魔法学……ということは“魔法”があるということか?」「そうですけど……でもその本には意味が不明とされているのもあって……だから言ったんですよ……役に立たないって……」俺はその本を開いてみる。すると「おい……これは普通に2つの物体間の距離によって発生する引力についてか?しかし2つのもので引力が働くなんて……分子とかじゃないとあまり聞かないけどな……あとは重力か?見た感じだと重力の方が適切そうだな……」と俺は言うとその少女は驚いたのか目を見開きながら「この本の意味が分かるんですか?!」と前のめりに聞いてくる。おい……さっきまでそんな感じの人じゃなかっただろ……もうちょっと大人しい感じかと思っていたのだが……「ま、まぁある程度はな……しかしこんな本見て…何かあるのか?」「何かあると言えばありますけど…ってそれよりすごいですよ!その本が理解できるのって人間でもごく一部だけって言われてますから!」え?この数式が?こんな初等数学の式を少し弄っただけのが?いや……待て、世界が違うということは常識も違う……そういった面でも驚くのには無理もないのか?なにせさっき聞いた感じだと魔法があるときた。すると俺の想像通りだと仮定すれば、科学技術なんてもんは遠い縁だと思うし仕方ないのか……。
「まぁ……少し落ち着いて…まだ君の名前も聞いてないのに……」と俺は話題を逸らした。「わ、私の名前ですか……?そんなものこそ聞いても役には……」「名前って結構大事だぞ?呼び方とかでその人の気持ちを表したりすることもあるしな。まぁいい、俺はヴェネルって言うんだ少しの間よろしく」となんだか本当に引っ込み思案そうな発言を揉み消した。「私のな、名前は…ユリアです……」「おお、ユリアか、よろしくな」と俺の反応に少し驚いたのか一瞬目を丸くしたがすぐに元に戻り……「珍しいですね。こういう私みたいな人に名前を聞いてしかも変に思うこともないなんて……」「ま、まぁ一応ユリアみたいな人と接するのは経験があるからな……」と苦笑を浮かべた。その人とは俺自身のことなんだがな。「そうですか……でもそのおかげで少し気が楽になりました」と言うとそれはどう見ても誰が見ても引っ込み思案と思えないような笑顔を見せた。
「君たち!もうすぐ着くぞ。外に出られるよう準備しておきなよ!」俺とユリアはあの後会話を少しづつ交わしていたのだがそうこうしているうちに着いたらしい。俺は馬車の窓から外を見る。「すげぇ……The、異世界じゃねぇか!」俺らが来た街は王都と言われるここら一帯の中枢を担う場所だ。名はユリアが教えてくれたがアロカルト王都と言うらしい。俺らの向かう学園というのはこの王都の代表者、“神の伝承者”と言われるお偉いさんの1人が学園長を務めるこの世界でも名門と言われる魔法学園らしい。俺はいきなりこの世界に転生したもので知らなかったがいつの間にかそんなやばいところに入学する生徒のうちの一人となるそうだ。無論、俺の前に座っていたユリアもだ。しかしこの学園に入るには何かしら一般の人が持たない能力がある人かつ、優秀な頭脳を持っていないと入学することも出来ないらしい。本当にこの体の元々の持ち主は一体…どんな才能の持ち主だったんだろう……「ヴェネルさん!あれ見てくださいよ!立派な時計塔です!これはぜひ目に焼き付けたいものです!」最初の雰囲気はどこへやら……しかしながら驚くのも無理もないあのイギリスのビックベンよりも壮大な時計塔がそこにはそびえ立っていたのだ。「さすがは王都と言われるだけあるな。金かけてんだろうなぁ……」俺も思わず言葉が漏れてしまった。そうはしゃいでいるうちに「ようこそ、ここが君たちを立派な魔法使いまたは、騎士など様々な職に就けるようにもなる魔法学園、“ヘリテチュア魔法学園”へ!」大きな門をくぐり抜け現れるのは壮大な建造物だった。様々な何かが空を飛び交い、ものすごい速度で人や物が走っていく。「ここが魔法学園かぁ……!」俺はその心の期待を噛み締めながら呟く。俺はここからまた新たな生活が始まる。引きこもり卒業をかけた生活なのだ。絶対今回こそは……前世では無理だったが……首席を目指すのも悪くないかもしれない。「引きこもり卒業だぁっ!」
今回はどうだったでしょうか?まだまだ本作品の中身に入ってる訳では無く、未だに本作品の設定などを説明しているところでしょうか。登場人物の心情や、風景を文章で伝えるというのはとても慣れないもので大変です。この度も本作品を閲覧して頂きありがとうございました!趣味として書いているだけではありますがせっかく投稿するのですからやはり改善していきたいところです。ご意見、ご指摘等があれば感想からお願いします。