41話 最後の手段を使います
「バフェットさん!! 大丈夫ですか!?」
右腕を負傷した僕の元に、ミカが駆け寄ってきた。僕は、スマホを取り出しながらミカに言った。
「うん、めちゃくちゃ痛いけど多分大丈夫。それより、僕に命令してくれないか?」
「まさか………………」
「うん、《会話ストレージバグ》をやるよ!!」
僕は、スマホを操作し音声を流した。
「バフェット! 左手を上げてくれ」
その、音声に合わせてミカが言った。
「バフェットさん!! 左手を下げてください!!」
「わかった!!」
矛盾した質問に同時に答えることで、僕の左手はバグり始めた。その様子を見たカゲミツは、身構えて言った。
「なるほど、バグ技か…………まさかこの世界でも使えるとは!」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
僕は、一心不乱に左手を振り回した。すると、剣を持った左腕は、意味不明な方向に飛び回り、そしてどこまでも伸縮しながらカゲミツに襲い掛かった。
カゲミツは、すさまじい剣捌きで僕の攻撃を防いだが、とうとう限界が訪れ、僕の左腕は、彼の剣を吹き飛ばした。
「ミカ!! 今だ!!」
ミカは、隙のできたカゲミツにとどめを刺した!
………………はずだった。
攻撃がカゲミツにあたる直前で、巨大な竜巻がカゲミツを取り囲み、僕たちを吹き飛ばした。これは、魔法だ、おかしい、剣士が使える技ではないはず!! 僕は、このことから、一つの恐ろしい事実を導き出した。もしそれが正しいのだとしたら………………。しかし、カゲミツはこれ以上僕に考えを巡らせる猶予を与えなかった。
カゲミツは、倒れている僕の腹部に、飛び膝蹴りを食らわせた。
「ガ………………ガハッ!!」
僕は、口から血を吹き出した。たぶん、今ので何本か骨も折れてしまった。そんな状況で、何とか僕は声を絞り出した。
「君………………剣士じゃなくて《魔法使い》か………………それなのに………………あんなに剣を操れるなんて……一体………………レベルいくつだ?」
カゲミツは言った。
「小生のレベルは128、最高レベルだ。この名前と見た目なら、みんな剣士だと思い込んでくれるのだよ……(笑)まったく、愚かだと思わないか……ブホホ」
「……くっ」
「あんたさ、この世界に異世界転生してきた人たちをどう思った?」
カゲミツは、僕の首元に剣先を突き付けながらそう言った。
「……………………べつに何とも」
「嘘だね!! ここに来てる連中なんて、どいつもこいつもゲームのルールに囚われてる、社会を知らないあまちゃんたちだ!! そう思ってたんだろ?」
「……………………そうかもね」
「確かに、その通りだ。だから、あんたは勝ってこれた。……………………でもさ。」
「アンタも異世界転生ってやつを舐めてるよ!! さて、おしゃべりは終わりだ。最後に言い残したいことはあるか? せっかくだから聞いといてやるよ」
そう言って、カゲミツは僕にとどめを刺そうとした。仕方ない、本当に本当の最終手段だ。勝てなくていいい、何とかこの場を切り抜けられれば……僕は、最後の賭けに出ることにした。
「それじゃ……一つだけ聞いてくれ、僕の本名は……
蛹玲イ「縲?豌ク !!!! 」
その瞬間、僕の体はバグによってわけが分からなくなってしまった。「バグるから絶対に名乗るな」ずっと神様から本名を言わないようにそう言われていた。その約束を僕は破った。カゲミツは、その様子を見てすぐに僕から離れた。
しかし、僕のバグは周囲にも侵食し始めた。周囲の地面の色があからさまにおかしくなる。カゲミツは、それに巻き込まれた。
「な……なんだこのバグは!!」
カゲミツの挙動もおかしくなり始める。ああ……これは、きっとミカも巻き込んじゃうな。ごめんね。
そうして、僕の目の前は真っ暗になった。
…………一体何時間意識を失っていただろうか。気づいたら、僕は真っ白な空間の中に居た。この景色は、見覚えがある。そして、あたりを見渡すと、和服の女神が漂っていた。僕が、彼女を発見すると、ゆっくり僕の方に近づいてきた。
確か………彼女の名前は……
「《救済の女神様?》」
女神様は、ちょっとムッとした顔で僕に言った。
「なんで本名言っちゃったんですか? あれほどダメだって言ったのに」
「縺?d?樒筏縺苓ィウ縺ェ縺??ゅ%繧後@縺区焔縺後↑縺九▲縺溘s縺ァ縺吶?(いや~申し訳ない。これしか手がなかったんです。)」
「もう、言語もバグってるじゃないですか。」
「縺ィ縺薙m縺ァ縲√き繧イ繝溘ヤ繧?Α繧ォ縺ッ縺ゥ縺?↑縺」縺溘s縺?縺?シ(ところで、カゲミツやミカはどうなったんだい?)」
「はい、二人はバグを復元しましたよ。ただ、どこに飛ばされたかは分かりませんが」
「縺昴▲縺銀?ヲ窶ヲ縺昴l縺ァ縲∝ヵ縺ッ縺ゥ縺?↑繧九s縺?縺?シ(そっか……それで、僕はどうなるんだい?)」
「あなたのバグの修復には時間がかかります。1日ってところですかね。なので……その間は、現実世界に戻ってください」
「縺茨シ溘??縺?>縺ョ縺九>?(え? いいのかい?)」
「今回だけですよ。久々の現実世界です。ゆっくり休んできてください。あ、そうだこれをあなたに渡しておきます。」
女神様は、カバンを僕に手渡し言った。
「このかばんに入れた荷物は、この世界に持ち込めます。使ってください。それでは、お気を付けて」
女神様は、手を振りながら姿を消した。そうして、目の前が真っ白になり僕は意識を失った。
【経営中の会社の資産】
株数:150
株価:153万円
時価総額:5億3050万円
保有資産
カカオ豆
金貨 2122枚(5億3050万円)
【個人の資産】
手持ち資産
小麦粉 6000ポンド
株券 7枚(時価総額1071万円)
所持金
前話での繰り越し
計 539,900円
借金 4,260,000円
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