表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/42

39話 クランと敵対する本当の理由


 私は、部屋に大量に積まれているコーヒー豆に頭を抱えながら、旦那様に質問します。


「それで! 全部で何ポンド購入したんですか?」


「…………………………………………。」


旦那様は、黙ってしまいました。


「別に怒りませんから」


「よ……400ポンドだ…………」



「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!?」



「怒らないと言ったではないか!」


「いや! いくら何でも怒りますよ!!! 何ですか!! 全体の半分を買い占めてるじゃないですか!!!」


「いや……その……すまない。」


「はぁー。バフェットも何か言ってやってください」


「う~ん。どうでしょう、せっかくなのでクラン領の貴族たちに売りつけちゃえばいいんじゃないですか?そうしたら、多少は資金を回収できますよ」


「わかった……そうさせてもらおう……準備をしてくる」



 旦那様は、帰宅したばかりでしたが、トボトボと仕事部屋へ歩いていきました。ちょっと、言いすぎたかもしれません。私は、しばらくしてから、デザートとコーヒーをワゴンに乗せ、旦那様の仕事部屋に向かいました。


「旦那様、コーヒーをお持ちしました」


「うむ。入りたまえ」


「失礼いたします」


私は、旦那様の机の上にマグカップとデザートを置いた後、口を開きます。


「旦那様、先ほどは言いすぎました」


「いや、いいんだマリー君。それ以前に私が買いすぎたんだ。今度、この屋敷に何人か貴族を呼んで、コーヒーを買ってもらおう。ところでマリー君」


「なんでしょう?」


「君は、バフェット君から、グラバーがどんな最後を迎えたか、聞かされたかね?」


「ええ、逃げ出したんですよね? クランから」


「ああ、確かにそうなのだが……正確には違うのだ」


「違う?」


「バフェット君が、彼が安全に逃げれるようにかくまったのだ」


「…………え!」


「マリー君。彼のいた世界については、聞いたことがあるかね?」


「はい。この世界よりも遥かに技術が進んでいて、それでいて平和です」


「その通りだ。はっきり言って彼は“平和ボケ”しすぎている。それが、この世界では、命取りになりかねない。今回の一件でよくわかった。彼は、戦いや犯罪に対してのツメがやはり甘い! 彼は、そのことに気付いているだろうか……」


「バフェットのことです。分かっているのではないでしょうか?」


「いや、そうであれば、剣士との戦闘であそこまでの大けがはしないだろう。とにかく、私は心配なのだ……」


「……旦那様」


「すまない。余計な話をしてしまった。私は、この買いすぎたコーヒーをどうにかすることに専念するよ」


こんなにも、不安な様子を旦那様が見せたことは、一度もありませんでした。そして、その不安は見事に的中することになりました。グラバーの一件が解決してから数日後のことです。



 私は、その日、旦那様の趣味である化学の研究の手伝いをしていました。突然、バフェットが実験室の扉を思い切り開きました。


「バフェット君何事かね?」


「大変です! クランがこの屋敷に来ました!!」


「なんだと!? わかった。私が相手をしよう!! マリー君とバフェット君は、待機していたまえ」


 クランの突然の訪問に私たちは、慌てるばかりです。一体、何をしに来たのでしょうか? それから、数時間後、クランが帰宅し、私は旦那様の部屋に呼び出されました。部屋に入ると、旦那様は両手で頭を抱え、うなだれていました。


「旦那様!! 一体何があったのですか!!?」


旦那様は、静かに話し始めます。


「…………マリー君。クランからバフェット君を引き渡すように要求されたよ………………………」


「それは、逮捕されるということですか?」


「そうではない。奴隷として買い戻したいそうだ。」


「それで、どうしたのですか?」


「もちろん断ったさ……そしたらクランのやつ………………………」



「………………………グッ!!」



旦那様は、腹部を手で押さえ、うずくまってしまいました。机に隠れていて気づきませんでしたが、旦那様の腹部は、剣で切られていました。


「旦那様!!!」


「連れてきた冒険者が、私を攻撃してきた………………かなりの手練れだ。もし、要求をのまなければ……この屋敷の人間を皆殺しにすると言っていた…………」


「そんな……」


「奴は、1週間後に再び来るそうだ。そのときにバフェット君を引き渡すように言っていた…………。マリー君……これ以上……この領地に居るのは危険だ……君は逃げたまえ……」


旦那様は、そう言い残して机に突っ伏してしまった。



「旦那様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」



私の叫び声をあげた。そして、それに気づいたバフェットは、すぐに旦那様のもとに駆け付け応急処置を施しました。その甲斐あって、旦那様は大事には、至りませんでした。


 次の日のことです。私が、旦那様の寝室に向かう途中に大きな声が聞こえました。


「バフェット君、もういいんだ!! 君は、マリー君を連れて逃げるんだ!!」


「何言ってるんですか!!! 僕がクラン領に行けば済む話でしょう!!!」


旦那様がバフェットと言い合いをしているようです。私は、その異様な状況に混乱し、旦那様の寝室の扉の前で硬直してしまいました。言い合いは、さらに続きます。


「そんなことをしたら、君はただではすまないぞ!!!!」


「でも、僕が逃げたら、その後はどうするんですか!!!」


「私が一人だけこの屋敷に残る!!!」


「何ふざけたこと言ってるんですか!!! 領主が居なくなったらそれこそゲームオーバーですよ!!」


「とにかく、君は、他の使用人を全員連れて逃げるんだ!!!」


「そんなことをしたら、マリーがどんな思いをするか!! あなたは一番よくわかっているはずです!!」


「………………………それは」


「それに彼女は、賢い。いつか、あなたがクランと対立している“本当の理由”にも気づくでしょう!!! そうなったら彼女は、死ぬよりつらい思いをして生きることになる!! 彼女にそんな思いをさせていいんですか!!?」




  「それ以上は言うんじゃない!!!!!!」



  「マリー君だけは!!! 絶対にクランには、渡さない!!!!」




 私は、聞いてはいけないことを聞いてしまった。もうどうしていいのかわからず、廊下を泣きながら走った。そして、自室に戻ると、布団にもぐりこんだ。


   私は、一体どうすれば………………


   どうすれば、旦那様をバフェットを守れるの!?



 私は、悩んだ………その日、布団の中でたくさん・たくさん・たくさん考えた………………………。それでも、私が出した答えは………………………。




   次の日、私は旦那様に手紙を書き残し、屋敷から姿を消した。




【経営中の会社の資産】

株数:150

株価:153万円

時価総額:5億3050万円


保有資産

カカオ豆

金貨 2122枚(5億3050万円)




【個人の資産】


手持ち資産

  小麦粉  6000ポンド

  株券 7枚(時価総額1071万円)


所持金

  前話での繰り越し

   計 539,900円


借金 4,260,000円



最後まで読んでいただきありがとうございます。


「面白かった、続きを見たい、ラボアジエさんがお茶目」


と思った方は


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直な感想で構いません。大変励みになります。


オレンジ色の《ブックマーク追加》を押していただけると本当にうれしいです。


よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ