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38話 金貨を大量に入手したようです。


 私たちは、大量の金貨を違法ギルドから持ち去りました。その交換条件として、バフェットさんがグラバーに銅貨100万枚を手渡しました。屋敷に帰る途中、旦那様はバフェットに言いました。


「バフェット君、本当にこれでよかったのかね?」


「ええ。大丈夫です。それより、新しい銅貨の発行準備は出来ていますか?」


「ああ、これで大方おおかたの銅貨は回収できた。すぐにでも交換が可能だ。」


「わかりました。それでは、グラバーがクラン領に戻ったら、例の作戦を実行しましょう」



 それから数日後、新しい通貨が発行され、銅貨の価値下落は、何とか収まったのです。そして、新銅貨の流通が収まった頃合いをみて、旦那様は私に言いました。


「マリー君。明日、私とバフェット君は、クランの元に行ってくるよ。」


「今回は、どうしたのですか?」


「バフェット君がグラバーにとどめを刺すそうだ。」


「とどめ?」


私は、わけがわからないまま、 旦那様とバフェットは、クラン領へと送り出しました。そして、2日後、2人は、大量の金貨を持って帰ってきたのです。私は、その様子を見て思わずツッコミを入れました。



「一体、何をやったんですか!!!!!」



すると、バフェットがスマートフォンを取り出し言いました。


「ここに、何があったか録画しておいたから。見ていいよ」


私は、スマートフォンの画面をのぞき込みました。どうやらそこは、クランの屋敷のようです。部屋には旦那様とグラバーとバフェットが映っています。画面の中のグラバーが口を開きます。


「領主さん、今日はどうしたんですか?」


「銅貨を買い戻しにきた」


「ああ、銅貨に交換するって言ったあれね」


すると、バフェットが口を開きます。


「それじゃ、契約内容の確認だよ。最初、金貨を100枚を銅貨100万枚と交換した。問題ないね?」


「ああ。間違いない。だが、銅貨は全部使ってしまいました。金貨で返しても構わないですね?」


「だめだよ。銅貨を返してもらう約束だったでしょ?」


「そうですね。銅貨が欲しいんですよね?わかりました、こちらで保有している金貨を銅貨に両替しましょう。それで文句ありませんね?」


「はい。そのために、今回は両替商を連れてきました」


「ほう、準備がいいですね。」


グラバーは、金貨100枚を両替商に手渡し言いました。


「ちなみに、あのニセモノの銅貨を金貨100枚分作るのにかかったお金はどれくらいか知っていますか?」


「………。」


「金貨10枚にも満たないんですよ!! 本当にボロ儲けでしたよ」


グラバーは、高笑いしながらそう言います。そして、大量の銅貨が入った木箱を受け取るとバフェットに投げつけました。


「ほら!持ってけよ!!負け犬が!!あっはっはっは!!!」


すると、バフェットがニヤリと笑って言います。




「あれ〜、枚数が足りないですね〜」




「は!?何を言っているんだ!!? おい、両替商!!枚数を間違えてないのか!?」


「いや、ちゃんと銅貨5万枚を渡したぞ」


「何を言ってるんだ!!金貨一枚で銅貨1万枚だろ!?」


「お前こそ何を言ってるんだ? 今は、新しい銅貨が出回って銅貨の価値は回復したんだ。今の銅貨と金貨の交換レートは、金貨一枚につき、銅貨500枚だぞ」



「な……なにぃぃぃぃぃぃぃ!!!」



バフェットは追い討ちをかけるように言いました。


「ほら、早く銅貨100万枚分の下さいよ〜。もっとも、両替するのに金貨2000枚(5億円)ひつようだけどね。」


バフェットの言葉にグラバーは逆上します。


「そんな馬鹿な話があるか!!!20倍になってるじゃないか!!!!」


「勝手に銅貨を換金しちゃったのがいけなかったんでしょ? ともかく、契約では銅貨で返すことになってますので、よろしく」


今度は、旦那様が追い討ちをかけます。


「ちなみに今回の契約書は、クランにも送っておいた。この契約を了承してもらっている。もっとも、こんなことになっているとは、クラン殿は、微塵にも思っていないだろうがね。ともかく、この契約を破棄したら、彼の顔に泥を塗ることを肝に銘じておきたまえ。」


グラバーの呼吸が次第に荒くなります。彼は過呼吸になりそうな状態で叫びました。


「そんな……私がしたのは、ただ金貨を銅貨に《両替》しただけじゃないか!!! それなのに、こんなめちゃくちゃな話があるか!!!!!」


激昂するグラバーにバフェットは、言い返します。


「違うね!! 君がしたのは両替なんかじゃない!! 君が僕と結んだ契約は、《銅貨の空売り》だ!!」


「……空売りだと?」


「君は、投資家のこんな言葉を聞いた事はあるかい、『買いは家まで、空売りは命まで』ってね」


グラバーは、ゆっくりと膝をつき塞ぎ込みました。バフェットは続けて言います。


「さてと、おしゃべりはおしまいだ。早く金貨2000枚返してよ」


「そんなの……払えるわけ……」


「ご主人様、払えないそうですよ」


「そうか、なら仕方ない。では君のご主人様であるクラン殿に取り立てるしかあるまい。行くぞバフェット君」


旦那様とバフェットは、部屋を出ようとしました。しかし、グラバーがバフェットの脚にしがみつき、情けない声で泣き叫びます。


「やめてぇぇぇぇ!! クラン様にだけは、言わないでぇぇぇぇぇぇ!!! お願いしますぅぅ!!!!!」


バフェットは、冷たい顔をして言いました。


「君、ここに来る前は、何してたの? 大学生?」


「そうですぅ!!経済学部で学生してましたぁ!!まだ、社会のことなんて分かってなかったんです!!!お願いですから、見逃して下さいぃぃ!!!バフェットさまぁぁぁ!!!」


「そう、大学生? 君は、僕という人間を見誤った。大人に舐めた態度を取るのは自由だけど、そんな事したら……


君を助ける理由無くなっちゃうよね。


サヨナラだ。」



「まってぇぇぇぇぇぇ!!!」



スマートフォンの映像は、そこで終わっていた。私は、バフェットに質問した。


「それで……グラバーは、どうなったのですか?」


「うん。あの後、ご主人様がクランに話をしたら、クランのやつ血相けっそうを変えて、グラバーの部屋に走っていったよ。なんか逃げ出したって叫んでたけど、まあ、捕まるのも時間の問題じゃない?」


「そうですか、あっけない最後でしたね。」


「これで、かなりの資金がこちらの領地に流れる事になるからね。そろそろ、クランにもトドメが刺さると思うよ」




「そうですか……いよいよ、決戦と言ったところですか……ところで旦那様!!!!」




私は、こっそり部屋の外に出ようとする旦那様の動きを止めました。


「な……何かね、マリー君?」


私は、部屋に大量に置かれているコーヒー豆を指差して言いました。


「旦那様!! こんなにコーヒー豆を購入してどうするんですか!!?」


「あ……いや……これは、ついに本物のコーヒーが飲めると思ったらつい……」


「つい……じゃないですよ!! 一人で飲み切れる量ではないではないですか!!」


「こ……この屋敷で働く使用人全員に振る舞おう」


「……それでも消費しきれませんよ」



私は、大量のコーヒーに頭を抱えるのでした……。




【現在経営中の会社の資産】

株数:150

株価:153万円

時価総額:5億3050万円


保有資産

カカオ豆

金貨 2122枚(5億3050万円)




【個人の資産】


手持ち資産

  小麦粉  6000ポンド

  株券 7枚(時価総額1071万円)


所持金

  前話での繰り越し

   計 539,900円


借金 4,260,000円


最後まで読んでいただきありがとうございます。


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