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22話 キラーカメリアの弱点とは何かね?

大量発生の原因

生物の大量発生には、さまざまな要因があります。考えられる要因は次のようなものです。

1、突然変異によって、環境への適応度が変化した。

2、エサの増加などによって、環境自体が変化した。

3、人為的に持ち込まれた。


 ミカ君は、キラーカメリアの気配を感じたのか、バフェット君に警告した。


「バフェットさん! 多分、近くに居ますよ!!」


バフェット君は、いたって冷静に返事をした。


「そっか、いよいよだね。」


「それで、どうやってあんな化け物を倒すんですか?」


「まず、この場所には、落とし穴を仕掛けたんだ。冒険者の人たちに依頼しといたんだ。」


「落とし穴ですか!? そんなの、あの化け物すぐに這い上がってきますよ!?」


「べつに、構わない。少し足止めが出来ればいいんだ。とどめは別の方法で刺す」


「私のスキルだと、ほぼノーダメージだと思いますよ」


「大丈夫、もっと強烈な攻撃方法があるから。でも、もし上手く行かなかったら、走って逃げるからね」


「……結局、それですか!?」



 そんな話をしていると、1体のキラーカメリアが、バフェット君たちに気付き、走って向かってきた! 


「キシェェェェェェェェ!!!」


キラーカメリアは、奇声をあげながら、猛ダッシュで近づいてくる。その先には、バフェット君たちの仕掛けた落とし穴があることにも気づかずに。そして、2人の目の前まで、接近した時だった。キラーカメリアは、落とし穴に見事に引っかかった。


「キシェェェェェェェェ!!」


しかし、キラーカメリアはひるむことなく、落とし穴の壁をつたい、よじ登り始めた。その時だった! バフェット君は、リヤカーを傾けながら、ミカ君に言った。


「ミカ!!今だ!! ニードルワームをこの穴の中に!!」


「はい!!」


2人は、落とし穴の中に、大量のニードルワームを投下した。すると、ニードルワームたちは、瞬く間にキラーカメリアに飛びつつき、葉を食べ始めた。


「ギヤァァァァァァァア!!!!!」


キラーカメリアが、叫び声をあげ、暴れまわる。しかし、狭い落とし穴の中では、逃げることもできず、ものの数分で、ニードルワームたちに捕食されてしまった。その様子を見て、ミカは立ちすくみながら言った。


「………………え? ナニコレ? どうなっているんですか?」


バフェット君は、ミカ君に説明する。


「簡単な話だよ。キラーカメリアの“天敵”は、ニードルワームなんだよ。」


「そんなの、ゲームの設定には……」


「そうだね。全くない設定だよ。」


「じゃぁ、なんで天敵だってわかったんですか!?」


「まず、ニードルワームって紅茶畑の茶葉を捕食する。だから、駆除の依頼が殺到したんだよね?」


「そうですね。おかげで、私もここ最近は、ニードルワームの討伐ばっかりでした。」


「だよね。そして、「毒針を飛ばしてくること。」それから、「その毒は、全身をかぶれさせる効果があること。」この2つから、現実世界に居る生き物の名前が浮かんだんだ。」


「え!? ニードルワームみたいな生き物が現実世界に居るんですか!? そんな化け物いないと思いますけど……一体どんな生き物なんですか!?」


「ニードルワームによく似た生き物……それは、“チャドクガ”だよ。」


「チャドクガ? 近づいちゃいけないケムシって言われているあれですか?」


「そうだよ。名前の通り、お茶っ葉を食べちゃうから問題になるんだ。そして、チャドクガは、主にお茶の葉やツバキ……要するにツバキ属の植物の葉っぱを好んで食べるんだ」


「ツバキ科ですか? じゃぁ、キラーカメリアはツバキ属の植物ってことですか?」


「その通り!!」


「じゃぁ、どうしてキラーカメリアが、ツバキ属の植物ってわかったんですか?」


「それは簡単だよ。ツバキの学名が《カメリア》なんだよ。この仮説が確信に変わったのは、この前、キラーカメリアに追い回された時だよ。逃げ回って、ニードルワームの群れに遭遇したとき、気づいたらキラーカメリアいなくなってたでしょ? あれは、偶然じゃなくて、ニードルワーム大群が近くに居たからなんじゃないかって思ったんだ。」


バフェット君は、落とし穴の中に入り、ニードルワームが食べ残した、キラーカメリアの目玉を拾い、落とし穴から這い上がった。


「さてと……これで、金貨1枚ゲットだね」


「はい……でもなんか……むごいです………。」


ミカ君は、落ち込んだ表情で言った。バフェット君は、そんなミカ君に声をかける。


「……そうだね。キラーカメリアも、ちょっとかわいそうだと思う。でも、自分たちの身の安全を守るためだよ。」




「やっぱり……仕方のないことなんですか?」




キラーカメリアの最後があまりにも悲惨なものだったためか、ミカ君は涙ぐんでいた。バフェット君は、ミカ君の頭に手を置いて静かに言った。




「僕は、そう思わない……。ミカも、現実世界での貧困や地球環境なんかのたくさんの問題を知っているよね。あの問題は、僕たち人類が、その「仕方ない」を繰り返してきた結果なんだと思う。きっと、もっといい方法があるんだろうね。でも今は、討伐するしかないんだ。もし、辛かったら、あとは僕一人でやるよ。報酬も山分けで構わない」



ミカ君は、涙をぬぐってから言った。


「いいえ。最後まで一緒にやります!! 私が何をしなくても、他の誰かがやらなくちゃいけないんです。それなら、せめて私がやります!!」



 バフェット君たちは、落とし穴を修復し、再びキラーカメリアを誘い出しては、罠にはめる作戦で、次々と討伐していった。そして、ついには合計で4体のキラーカメリアの討伐に成功したのであった。バフェット君は、ミカ君に言った。


「さてと、これくらい狩れば十分かな。討伐はこれくらいにしないかい?」


「はい。終わりにしましょう」


バフェット君たちは、落とし穴に投下したニードルワームたちを逃がした後、落とし穴を埋める作業に取り掛かり始めた。私は、その様子を見計らって、彼らの元に歩み寄った。


「まさか、キラーカメリアを4体も討伐してしまうとは……本当に君には、驚かされる。」


バフェット君は、穴を埋める作業をしながら私に言った。


「いえ、大したことは、ありませんよ。それよりも、キラーカメリアの天敵がニードルワームであることが確定しました。」


「そうだな。弱点さえわかってしまえば、どうと言うことはないな。」


「ええ……そうですね」


「どうしたのかね? 浮かない顔をしているではないか」


「……ニードルワームの大量発生の原因が今まで不明でしたが、今回の一件で、ニードルワーム大量発生の原因が、《キラーカメリアの大量発生》だとしたら……」



バフェット君が、唱えた仮説に私は背筋が凍り付いた。


「…………そんな、そんな馬鹿なこと……。キラーカメリアは、あくまでも樹木なのだぞ!? 昆虫や動物と違ってそうそう大量発生など……………………まさか……………………。」


バフェット君は、恐ろしい推測を私にぶつける。


「キラーカメリアの大量発生が“人為的なもの”だとしたら……」


「そんなことが……ありえるのか?」


「現に、採掘場のゴブリンの大量発生は、人為的なものでしたよ」


「それが、真実だとしたら、クランという男は、どこまで性根が腐っているのだ!!」


私が、声を荒げると、座って休憩していたミカ君が勢いよく立ち上がり言った。


「そんな、命をもてあそぶようなこと!! 私は絶対に許せません!!! もちろん、その命令に従った人間もです!!」


ミカ君もまた、憤慨ふんがいしているようだった。一方で、マリー君は、私たちの話をただただ聞いていた。しかし、彼女の握りこぶしは、震えており、力が入っているをうかがわせた。私は、バフェット君に質問した。


「バフェット君! 私は、町の人々を守りたい!! もし、君の考えが真実であるならば、私はどうすればいい?」


バフェット君は、言った。


「まずは、キラーカメリア大量発生の原因をきちんと調査しましょう。自然発生にしろ人為的なものにしろ、何かしらの痕跡があるはずです。とりあえず、まだ時間がありますから、この森をもう少し探索してみるのはどうでしょうか?」


バフェット君の提案に、私たちは賛同した。マリー君が素直にバフェット君の意見を聞き入れたのも、この時が初めてだった。



【バフェット君の経済状況】


所持品

コーヒー豆150g 銅の鎧 木の大盾 ニードルワーム50体、キラーカメリアの目玉4個

(リヤカー 鉄のオリ)←レンタル


所持金

銀貨7枚   35000円

銅貨35枚   3500円

計      38500円


借金

金貨19枚 475万円

銀貨35枚 17万5000円

計     492万5000円




最後まで読んでいただきありがとうございます。


「面白かった、続きを見たい、所持品にニードルワーム50体って(笑)」


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