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11話 奴隷になってるじゃないですか!

領主とは


領地と呼ばれる広大な土地を持つ貴族は領主と呼ばれる。彼らは、領地に住む人から税金を徴収して生活している。


※あくまでもこの世界での定義です


 バフェットさんからの手紙を受け取ってから、3日経ちました。私は、今お屋敷の門の前に居ます。生でお屋敷を見るのは、生まれて初めてかもしれません。私は、門番さんにバフェットさんから預かった手紙を見せました。すると、その門番さんは、私を屋敷の中のとある部屋に案内してくれました。そこは、薄暗い地下室です。その地下室には、寝床と安っぽいテーブル、そして2脚の椅子が用意されており、そのうちの一脚にはバフェットさんが腰かけていました。バフェットさんは、私の顔を見て言いました。


「ごめんねミカ、心配かけたね」


うう……ちょっと泣きそうです。でも、ツッコミたいことが山のようにあります。とりあえず、手紙に書いてある屋敷に来たのは、いいですが……。


「そもそも、ここはどこなんですか!!!?」


バフェットさんは、マイペースに話を進めます。


「そうだね。何があったのかを話すよ。でもその前に会わせたい人が居るんだ」


「会わせたい人?」


 バフェットさんは、ある部屋の前に案内してくれました。今度はジメジメした地下室とは、打って変わって豪華な装飾でいかにもな感じです。その部屋の前で、バフェットさんは扉をノックし言いました。


「ご主人様、客人を連れてきました」


すると、扉の向こうから声が聞こえてきます。


「入りたまえ」


その部屋は、いかにも貴族の部屋というような雰囲気の部屋で、豪華そうな大きな机が一つ置かれていました。その机では、いかにもな見た目の貴族さんが、書類か何かを読んでいます。その貴族は、白髪で年齢は50代くらいでしょうか? バフェットさんは、その貴族さんの元に私を連れて行くと私の紹介を始めます。


「ご主人様、こちらが僕とパーティーを組んでいたミカという少女です」


すると、その貴族さんは顔を上げて言いました。


「この子がバフェット君の……はじめまして」


私は、小声でバフェットさんに質問します。


「バフェットさん、この人誰ですか?」


バフェットさんは答えます。


「この方は、この領地の領主、アントワーヌ様だ!」




「えぇぇぇぇぇぇ!!!!!?」





 バフェットさんは、領主さんの紹介をした後、今まで何をしていたのかについて話し始めました。バフェットさんが逮捕されて数日後、この領主さんが、バフェットさんに会いに来たそうです。バフェットさんには、領令違反の罪として領主クランのもとで奴隷どれいとして働くことがほぼ決まっていたそうです。


 ところが、領主アントワーヌがその権利を買い取り、バフェットさんはアントワーヌの奴隷として、この屋敷に連れてこられたそうです。バフェットさんは、そのことを手紙に書き、私のもとに冒険者を送ったとのことです。なるほどなるほど……



「……って奴隷になってるじゃないですか!! もう、ゲームオーバーだこれ!!!!!」



私は、この話を聞いて絶望し頭を抱えました。すると、バフェットさんが言いました。


「なんか、わかりやすく絶望しているけど、上手くいっているんだからね」


「何言ってるんですか? 奴隷ですよ!? 奴隷!! 人権ガン無視で働かされるに決まっているじゃないですか!!!!」


すると、アントワーヌが立ち上がりツッコミを入れた。


「いや、君こそ奴隷をなんだと思っているのかね!!」


「え!?」


バフェットさんは、頭を抱えながら説明した。


「アニメや漫画に出てくるような、奴隷ってのは一般的には存在しないんだよ。きちんと休暇をもらえるし、給与も出る。必要な道具もちゃんと支給してくれるんだよ。もちろん、この方は、良識のあるきちんとされた方だから大丈夫なの!! それにね、この方も……」



「……僕たちと同じで、異世界転移者だよ。」



「え!?」


私が、わかりやすく驚くと、アントワーヌが口を開きました。


「正確には、※1類の転生者というやつらしいがね。私も、君たちと同じ世界からここに来たのだよ。生まれた時代は違うらしいが……」


※ 1類転生者 現実世界で死亡し異世界転生した者

  2類転移者 現実世界でソロモンをプレイしていた者

  3類転移者 1・2類に当てはまらない者


次にバフェットさんが、口を開きます。


「彼は、1794年に亡くなった後、この世界に転生したんだ。当時、この方は税の徴収人をしていたそうだよ」



「バフェット君、それよりそろそろ本題に入ろう」


「はい。そうですね。それでは、僕の方から……」


「いや、私から説明しよう」



 アントワーヌは、机の上に置いてあった書類をミカに手渡した。


「これは、なんですか?」


私は、アントワーヌに質問します。すると、彼は言いました。


「この町の居住を許可する権利書だ。これをもって、その書類に記載されている冒険者の宿に行くと良いだろう」


「別に、私は、現在契約している冒険者の宿での生活に困っていませんけど……」


「近々、そういうわけにもいかなくなる」


「どういうことですか?」


「今回の採掘場での一件、このバフェット君は、すぐに逮捕された。しかし、私が奴隷としてバフェット君を買い取ったことで、今度はミカ君を逮捕しようとする動きがあるようなのだ」


「どうして私が?」


「今回の一件でバフェット君が危険人物であると領主クランが判断したのだろう。だから、ミカ君を逮捕することで、人質になると考えた。もしミカ君が、この町に居てくれるのであれば、その身柄は領主の名をもって守らせてもらおう」


「どうして、こんなことになってしまったの……」


「そもそもは、アントワーヌ領とクラン領との外交に原因があるのだ。バフェット君が言ったように、私はもともとこの世界の人間ではない。私がこの世界に転生した際に、救済の女神とやらが何もない平原に町を生み出し、私をその土地の領主にしてくれたのだ。彼女は、《転生ボーナス》などと訳の分からない言葉を発していたがな。


 そうして、領主となった私だが、その土地は元々クラン領の近くにある場所で、クランが何かと文句をつけてきた。しまいには、私の領地に冒険者を送りこみ、資金を領地の外に流失させたり、犯罪組織を作ったりと妨害工作をしているのだ。


 採掘場の一件も、バックにはクランが関わって、妨害行為を行っていたのだ。そんな時だ、君たちは、犯人を突き止めてしまった。おそらくクランは、君たちが私の仕向けた刺客だと勘違いをしているに違いない。そういった事情があって君たちには、迷惑をかけることになってしまった。すまなかった!」


話の最後に、アントワーヌは私に向かって頭を深々と下げました。今度は、バフェットさんが口を開きます。


「ミカ、僕たちは面倒な相手に目を付けられてしまったんだ。しばらくはこの町に身を潜めたほうがいいと思うんだ。君には迷惑をかけちゃったね。本当に申し訳なかった」


「いいんです。それよりも、これからどうするんですか?」


「僕は、この方の奴隷としてお仕事をするよ。その方が資金も集まるしね。ミカは、この町でかくまってもらうのが、ベストだと思う。」


正直、話についていけません。でも、、自分一人で行動することは危険であるということだけはわかります。私は、バフェットさんに言いました。


「いつでも、会えるんですよね?」


バフェットさんは答えます。


「仕事が終わった時間ならいつでも会えるし、休日は屋敷の外に外出もできるよ」


「それじゃ、私は。この町で冒険者をしながら、私たちがクランから逃れる方法を考えます! でも、そのためにはバフェットさんが必要です。だから、時々会いに行きますね」


アントワーヌも続けて言います。


「君が、この屋敷を自由に出入りできるよう、バフェット君にはお願いされている。いつでも会いにくるといい。」


「はい! ありがとうございます!」


「それでは、君を冒険者の宿に案内しよう。」


 アントワーヌはそう言うと、机の上に置いてあったベルを鳴らした。それから、まもなくして使用人が私の元にやってきて、私は冒険者の宿へと案内されたのでした。




 この日以降、私とバフェットさんは別行動をとることになりました。もちろん定期的には、会っていますが……。バフェットさんは、資金集めをするために、そして私は、冒険者として働きながらクランについての情報集をするために、違う場所でそれぞれ頑張っています。だから、私がバフェットさんの行動を知れるのはここまでです。



 でも、信じています。また、一緒に冒険できるその日がやってくることを!!




【バフェットさんの経済状況】


1、所持品

  なし(逮捕されたため完全リセット)


2、現金

  なし(逮捕されたため完全リセット)

  


最後まで読んでいただきありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 領主にも異世界転生してる人はいると思いましたけど、もしかしてこの人貴族階級の人では? [一言] もしかしたらフランス革命辺りで粛清されたのではと思いました。
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