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プロローグ

新しく異世界転生を書き始めました。読んでいただけるととても嬉しいです!

気になったらブックマークや評価等していただけますと、書く速度が上がります(おそらく……)!

よろしくお願いいたします。



 今日は2限が空きコマか……。お昼前空くのはうれしいけどちょっと微妙な空き時間だ。まあ、一回帰って家でご飯食べるのもいいか。その方がゆっくり続きを読めるだろうし。『平凡』な自分が『特別』になった気になれる。だから僕はずっとファンタジーが好きだった。最近ではスマホ一つで簡単に読むことができ、本当にありがたい。


 この後の予定を決めると早速寮へと歩き始める。今日は月曜日だからきっとナモリ先生の小説も更新されているはず。前回気になるところで終わっていたからずっと待っていたんだよ!


「陽斗、前!」


 グイっと強い力で引っ張られる。いつの間にか目の前の信号は赤に変わっていたようだ。


「ごめん、宮間。

 ありがとう」


「たく、どうせまた何か考えていたんだろう。

 本当に危なっかしい」


「ごめんって。

 宮間も一度寮に帰るの?」


「うん、この後空いているし」


 宮間を招いて二人でご飯を食べるのもいいかもしれない。けど、二人分も食材ないか。昨日だったらあったんだけど。これから何か買ってから帰っていたら時間なくなりそうだし。


「だーかーら!

 考えながら歩くなって。

 危なっかしい」


「大丈夫だよ。

 今はちゃんと前を見ている」


「お前は見ているようで見ていないだろ……。

 俺がいないところでひかれても知らないぞ」


「感謝しているよ」


 うん、誘うのはまた今度にしよう! 決まったところでちょうど駅に着く。なぜか大学の寮なのに電車で一駅の場所にあるのだ。自転車で十分行ける距離ではあるけど、よく電車を使ってしまうのは悪い癖かもしれない。


 何気ない日常で、いつもと違う点なんて何もなかった。適当に作った昼飯を食べて、楽しみにしていたラノベの更新を読んで。午後からの授業を退屈に思っていた、はずなんだけど?



「ここ、どこ?」

 

 真っ白な空間。全く知らない場所だ。え、すっごいラノベっぽい展開。ラノベファンとしてはワクワクするべきなのかもしれないけど、だめだ全然意味が分からない。え、僕死んだ? でも全然死んだ記憶ない。え、作った料理に変なの入ってた? 死因食中毒? でも苦しんだ覚えもない。うーーーん?



『ふふ、どうやらずいぶん混乱しているみたいだね』


 真っ白な、何もなかった空間に突如として何者かが現れる。男性と言われても、女性と言われても納得できる芸術品のような整った顔立ち。それになぜか妙に響く声。こ、これは!


「神様ですか!?」


『んぇっ!?

 なんで、なんでわかったの? 

 しかもなんでそんなに平然と?』


 先ほどの余裕たっぶりな微笑みが今ではすっかり崩れてしまっているじゃないか。驚いた、と顔に書いている。神様ってこんなに表情わかりやすいんだ、意外。


『あ、君今失礼なこと考えているでしょ。 

 全く……。

 そう、私はとある世界においては神と呼ばれる存在。

 ミベラ、だ』


「それよりもこの状況は?

 僕間違って殺されちゃったとか?」


 ここはやっぱり何かの手違いで死んでしまったから、僕の望み通りの力と世界を与えてくれるとか、そういう話でしょう。さて、どんな条件を付けようか。


『名乗ったのに完全に無視しないで』


 完全に呆れられている気がする。でも僕だってそれどころではないし、ね。そんな思いっきりため息つかないでください。


『君、よくそんなに平然としているね。

 死んでしまったことはあっているけれど、間違って、は違うかな。

 ……、どうして死んだか覚えているの?』


 どうして死んだか……。やっぱり全く覚えていない。本当に気が付いたらここにいたのだ。


『覚えていないみたいだね。

 ……ああ、もうこんなにも時間が経ってしまった。

 手短にいくね。

 君は死んだ。

 そして、私は君の魂を譲り受けた。

 だから君には僕の世界で生きてもらう』


 ここまではいい? と言われる。端的に言っているから言葉はわかるけれど、意味は理解できない。え、僕の魂この人に譲られちゃったの? いい? と聞いてきながらもう話進めているし。


『私の願いは一つ。

 地球で生きてきた君の目で私の世界を見てきてほしい。

 そして、君が思ったことをいつか私に教えて。

 ……とはいえ、勝手に連れてきて申し訳ないと思うからね。

 一つだけ、君の願いを叶えてあげよう』


 ああああ、話がどんどん進んでいく。僕が口をはさむ隙がない。ただ僕の願いを叶えてくれるらしいので、ここはやっぱり、と口を開こうとした時だった。


『君は『特別』になりたいんだろう?

 だから、特別になれるプレゼントを用意した。

 いつか受け取れるだろう。

 さあ、もう時間がない。

 行きなさい』


 ちょっと待って、まさかの願いを聞いてくれすらしない!? 確かに特別になりたいと願っていた。でも、その内容も全く教えらえないで用意したって怖すぎる! ちょっと待って、そういう前に意識が遠のいてしまった。




『楽しみにしているよ、弥登陽斗。

 欲望に殺された君が、私の世界でどんな人生を歩むのか。

 また欲望に殺されるのか、それとも……。

 ふふ、ああ、楽しみだ』




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