夢見る俺の夢ライフ
夢。
それは個々のもつ可能性。
与えられた人生のレール。
無限に広がる選択肢は、明日を生きる活力であり生命の源と言っても過言ではない。
第一、夢を持たない人間は既に生きることを諦め堕落し絶望しきっている。
瞳に光はない。
衰弱しきった胸の左側。
痩せて枯れ果てた肉体。
明日への…はたまた10分後の希望さえ持ち合わせてはいない。
そんな、"人"という生き物に必要不可欠であり摂取過多でも検査で引っかからない素晴らしい夢。
誰もが純粋に、信頼し、憧れて、抱きしめながら生きている。
そんな過大評価される大層なもん、俺にだって一つや二つ、あるんだよ。わりーか。
毎朝5時おきでコンビニでバイトして、昼飯は残った弁当を食って片して、夕方には毎度お馴染み仲良し顔見知り程度のババアの、クレーム対応しながら部活後のガキどもの相手して、夜はこれまた残った弁当と惣菜の処理すべく持ち帰り一人寂しく5畳程度のボロアパートで晩飯を食い独り身には過酷すぎる冷たい布団で寝る。
そんな感じの無限ループライフを満喫してないけどしてた。
つまらん毎日だけど俺にはやりたいことがあった。
正義の味方になる。
糞でも何でも言いたいやつには言わせておけ。俺は本気だ。
昔見た戦隊モノの特撮に見惚れて、俺もなれるかななんて考えて将来正義の味方、ヒーローになるなんて思い続けて20年。
今でも捨ててないし諦めてもいない。
むしろそろそろ転機くるんじゃね?なんて思ってる。
ヒーロー界では年的にはちょうどいい健康的成人男子だ。
もうすぐだ、明日にでもなんか、なんかある。そう期待して今日も無限ループライフだ。
きっとあれだな、あれ。あれが来るぜ。
あれって何だって?
んー、あれはあれだ。
バトルとかしちゃったりするのかなーとか?
変な異世界生物的なのとか出ちゃったり?
異世界生物的なのにあんなことやこんなことされてる超絶美少女がいたりして!
それをボッコボコにして「怪我はない?」的なヤツ?
ヤベェ、俺イケメンじゃんw最高w
なーんて、主人公は夢に夢見る男の子なんですよー。