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打ち合わせを終え、港へ向かう道すがら、ドクシアディスが耳打ちしてきた。
「アイツ等を人質に、アヱギーナに加担する方がいいんじゃないのか?」
それは、俺も思っていることではあるが……。コイツには言ってないが、俺としては既にアヱギーナの領事館で一発かましちまってるしな。受け入れられるか否か、若干、保証出来ない部分がある。
まあ、それだけが今裏切らない理由じゃないが。
「ことはそう単純じゃないだろ。属する陣営の報告だけを聞いているから、アヱギーナ優勢のような気がするが、実情は分からん」
船という高速の移動手段を使った戦いだ。しかも、どちらもが商業国という特性上、影響圏の広さや経済実態を把握し難い面がある。農業国のラケルデモンと違って、どちらも余力が見え難い。
まあ、な、と、頭の後ろで腕を組んだドクシアディス。
「が、貴様等にも配慮する」
ん? と、ドクシアディスは不思議そうな顔で俺を見た。
俺は、横目で軽く視線を合わせた後は、目を正面に戻して続ける。
「色々と事情があって今はコッチにいるが、俺としてはエレオノーレを守れるなら属する陣営はどちらでも構わない。状況次第で揚げる旗をすぐに変えてやるよ」
「信用して良いんだか悪いんだか」
ふん、と、鼻を鳴らしてから論点の間違いを正してやる。信用なんてお互いに端から無い筈だ。だって――。
「俺『達』が問題とするのは、損得だけだ。お前は違うのか?」
俺を真似るように鼻を鳴らしたドクシアディス。
「違わないさ。……なら、ま、せいぜい高く買ってもらえるほうに売りつけてやるとしますかね。大将」




