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さっきとは違う道――関所へと向かうには、二番目に近い道だ――で、村の入り口が見える場所に陣取り、再び麦畑に身を隠す。
俺達がいなくなってすぐに、巡察隊と若衆に伝令を走らせたんだろう。月が西に二つ分ほど傾いた頃、再出撃の部隊が行軍隊形を整えて出発し始めていた。
奴隷の若衆三十と軽装歩兵十が先陣、そこからしばらく間を空けて、若衆三十と軽装歩兵二十の主力。そして、一番最後に出てきたのは、他の物よりもやや整った装備をしている男と、軽装歩兵十四だった。
連中は学習能力が無いのかね。周囲に視線を巡らせてはいるが、麦畑に入って捜索してこない上、どちらかといえば歩調を速めて――おそらく、今度こそ真っ直ぐに駆けていると思ったのだろう――関所を目指している。
追手の兵士の数は、先程と比べると幾分か減っているようだった。一部は村の守りを固めるために残ったのだろう。
まったく、なってない指揮官だな。もう一度村へ来るかも、ではなく、さっきはどこに潜んでいたかを考えれば、対処法はおのずと変わってくるはずだろうに。
いや、再出撃の後方を逆にこちらから衝く思惑だったんだが、こうもあっさりと引っ掛かってもらえると、罠なのか疑わしくなってしまうな。……まあ、罠だったとしても、国境間近の今となっては食い破らなけりゃ、街道を封鎖され、次が無くなるんだが。
「エレオノーレ、止めを刺す事は出来るか?」
問い掛けると、微かに肩が震えるのが分かった。
溜息を飲み込み、その場しのぎの強がりを言われると作戦が破綻するので、冷ややかな口調で補足する。
「殺さなければ切り抜けられない場面は今だ。……が、出来ないんであれば、作戦を変えるだけだ。正直に言え」
エレオノーレが迷っている時間は、長くは無かった。
「大丈夫……やれる。今は。そう……兵士相手なら」




