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665―ハーツ―  作者: 桃姫
炎の星――Dazzling flame wraps up the sky and lights up the world――
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8話:帰り道

 そして、学校も終わり、帰り道、面子は俺、後藤、シリウスだった。

「後藤、一つ聞きたい」

 俺は、後藤に聞きたい事があったので、単刀直入に聞こうとした。

「なんだ?もしかして、なんで一緒に帰ってんだよ、邪魔すんなよって質問なら勘弁な」

 何言ってんだ?こいつは、付き合いは長いがいまだによく分からない。

「安心しろ、そんなことは聞かない。で、本題だが、八雲を最近見たか……?」

「……はあ?何言ってんだ。三縞さんなんて、中学の時以来見てないぞ。それに、お前の方が詳しいだろ」

「そうか、会ってないなら、いいんだ」

 やっぱり、後藤にも会っていなかったのか……。だが、あいつは、何故、あんなふうに、躑躅色の空間に現れたのだろうか。あの空間は獣人の使い魔に遭遇した空間だ。だから、てっきり、獣人の空間だと思っていたのだが、違ったのだろうか。

 そんな、思考を巡らせていると、後藤の叫び声が聞こえた。いや、正確には、叫び声ではなく、喜びの声だったのだが、あまりにも声がでかくて、そう聞こえただけだった。

「どうした、強盗」

「ああ、其処に……って、誰が強盗だボケ!俺は後藤だっつーの!」

「んで、どうしたんだ後藤」

「ああ、見ろよ。あの人、めっちゃ美人じゃね……」

 声を潜めて、俺に囁いてくる。ぶっちゃけキモい。だが、一応、その美人さんとやらを拝もうと、見てみる。

 其処にいたのは、昨日の猫耳さんだった。

「あら?マイマスター、そちらはお友達ですか……?」

「あ、ああ」

 俺は引き攣った笑みでなんとか答えを返した。はっきり言って、外で、マイマスター呼びは勘弁して欲しいのだ。だが、俺は、猫耳さんを引っ張って、少し、声を潜めて、聞きたいことを聞いた。

「おい、ちょうど良かった。聞き忘れていたんだが、昨日の躑躅色の空間。あれ何だったんだ?」

「?なんで、聞くのかは、知らないけど、あれは、獣人が出す、人払いの結界みたいなものだと思ってくれればいいと思うわ」

「獣人しか使えないのか?」

「ハーツでも使える子は使えるけど、基本的に獣人だけね。人なんかは、絶対使えないわ」

 人は、使えない。だとすると、八雲はどうやって、あそこにいたのだろうか。分からないことだらけだ…。

 なんかさっきから忘れている気がしたら、シリウスだ。ずっと何も喋っていない。

「どうした、シリウス。何かあるいのか」

「マイマスター、いえ、一瞬ですが、学校を出た瞬間に敵の気配があったもので……」

敵の気配があったのか……。

「ですが、追いきれませんでした」

 しゅんとなって、尻尾をおもいっきり垂らして耳も下にむいてたたまれていた。何気に可愛いな。しかし、敵か、気になるな。俺らを追っていたのか、別の目的があったのか。

「そう、それを追ってきたのよ」

 コレは、猫耳さんである。つまりは、猫耳さんも、敵の反応を追ってここまで来たという事だろう。

「後藤、帰れ」

 何だが、やばくなりそうだったので、後藤に帰還命令を下した。

「なっ!そりゃねえぜ。ここまで来て……」

 後藤が言い切る前に、俺は、猫耳さんに頼みごとをした。

「コイツを送っていってください。よろしく頼みます」

「うひょ!マジかよ!」

 といって、後藤は、猫耳さん連れて、とっとと帰っていく。

 さて、邪魔はいなくなったぞ……。


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