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665―ハーツ―  作者: 桃姫
炎の星――Dazzling flame wraps up the sky and lights up the world――
6/33

6話:契約

 そういえば、だが、

「契約ってなんだ?」

 ちょくちょく話しに出てくるが、一向に内容は分からない。

「契約、ね。契約については、実践したほうが早いから」

 え?やるのか、契約ってやつを。どんな感じなのだろうか……。

「まずは、試しに一人だけ契約するって言うのでいいかしら、マイマスター」

「試しにって?」

「……。まず、理解して欲しいのは、私たちに関わった時点で貴方は、獣人たちとの戦いを余儀なくされるわ。それを知ったうえで、私たちと契約するかという話よ」

「なっ、ちょっと待て。じゃあ、俺は獣人に狙われるのか!?」

 そんな馬鹿な。

「違いますよ、マスター」

 シリウスが言う。

「狙われるのではなく、もう、狙われているのですよ」

「貴方、さっき、変な空間に紛れ込んだでしょ。そこはね、【壊れた輪廻のセカイ(リンネのハヘン)】よ」

 壊れた(ハヘン)、なのか?

「そこで、貴方を襲ったのは獣人の使い魔よ」

 使い魔。魔法使いが持つ黒猫や烏なんかのイメージがあるんだが……。

「獣人の使い魔が貴方を発見した時点で、人間であの世界に侵入できたイコール【最後の光の民(ラスト・オブ・エデン)】って認識されたわね」

 つまり、最後の異端分子だから、速攻で消しに来ると。

「要するに、お前等と一緒にいたほうが、安全性が高いってことか?」

「飲み込みが早くて、助かるわよ」

 猫耳少女は、にこりと笑っていった。

「で、どうやって契約するんだ?」

「契約、【エデン・エンゲージ】」

 ん?エンゲージって結婚じゃなかったっけか?よく分からんが。


 俺とシリウスは、廃工場の屋上に連れてこられた。そこの中央まで、来ると、周囲のハーツたちは、囲むように、俺たちを見ている。

第一契約(ファーストフェイズ)、始動【エデン】」

 俺とシリウスを囲うように青紫の魔法陣が浮かび上がる。

 二重の円。その中に浮かぶ七芒星。

 その、魔法陣は、光って俺の、俺たちのことを包む。そして、不意に、シリウスが、体を寄せる。

――第二契約(セカンドフェイズ)、結【エンゲージ】

 その声と共に、シリウスの綺麗な顔が俺の顔に近づいてくる。

 唇が重なり合う。

 その刹那、俺の左半身に痛みが走る。白い羽が俺の左半身を包む。

 な、なんだ、これは……?

「くっ……」

 シリウスのほうも、右半身に黒い羽が浮かび上がっていた。

 そう、それは、まるで俺と対称になるように。

 身体に刻まれる印がごとく、半身に沁み亘る。

第三契約(サードフェイズ)、刻幻【コンタクト】」

 その言葉と同時に身体の痛みが散った。

「契約が、終了したようね」

「お、おい、これ、なんだよ?」

 俺の言葉に、猫耳少女が言う。

「それは、【呪印】ね」

 呪印……?なんだそれ。凄いのか……?

「驚いたわ、呪印は、過去の契約でも、高いエデンの力を持つものとハーツが契約した時のみに発動するらしいのだけど……」

 へ~、凄いんだな。ん?高いエデンの力?何だそれ。


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