4話:燃え上がる炎
そうして、今に至る。
しかし、シリウスの右手には、神々しい桜色の炎が燃えていた。どうやら、本人を燃やすことはないらしく、燈っているだけのようだ。
「マイマスター、ご無事でしたか?」
「あっ、ああ。助かったよ」
尻尾をシュンと下げながら申し訳なさそうに答える少女。
「奴等の使い魔も大分力を上げてきた様で……。でも、マスターが見つかったので、本当によかったです!」
奴等?使い魔?
「そういや、どうやったら戻れるんだ?」
俺の言葉にシリウスは、にこりと笑う。
「もうじき戻れると思います。マイマスター」
その言葉の通り、躑躅色だった世界が、明るくなり始め、元の夕暮れに戻る。
「それでは向かいましょうか」
「向かうってどこへ?」
シリウスは、笑いながら言う。
「私たちの秘密のアジトです」
アジト?私たちの?
「お前以外にもさっきみたいな炎を出せる奴等がいんのか?」
「いえ、炎をメインで司るのは私だけですので……。ですが、他にも様々な方がいらっしゃいますよ。マスターのお眼鏡に適うとおもいます」
お眼鏡に適う?どう言うことだ?
「というか、お前自体は、一体なんなの?」
「わ、私ですか?
シリウス。シリウス・アイデン・ハーツと申します。まあ、それも通称のようなものなのですが……」
シリウス・アイデン・ハーツ、か。
「マスター。マスターの名前を伺ってもよろしいでしょうか」
そういえば、名乗ってなかったか?
「俺は、篠宮風希」
「フウキ様、ですね?」
様付けは恥ずかしいからやめて欲しいのだが……。
「それでは、フウキ様、こちらへ」
シリウスの後を着いていく。
目の前の建物は、随分と前に潰れた工場だ。この廃工場がアジト……?