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665―ハーツ―  作者: 桃姫
黒の星――The star falls calmly――
29/33

29話:時空を駆る者

Scene八雲

 私は、唱える。

「【雷鬼招来】!」

 【時空剣】の切っ先に雷が帯電する。パチパチと先行放電(ストリーマ)を走らせながら。

「こけおどし」

 と半翼人はこちらに突っ込んで鎌を振ってくる。

「それはどうかしら」

 鎌に【時空剣】をぶつける。

 瞬間、雷が鎌を伝う。

「……っ!」

 半翼人は、鎌を地面に捨てた。

 その反応は正解だったわね。でも、軽く痺れたはずよ。

 さて、と、そろそろ行こうかしら。


「【雷鬼残像】」


 その言葉を唱えると、【時空剣】が二本に増えた。

 世界に二本とない伝説の剣、異時間、異空間取捨の剱。

「チッ!」

 二本を振るわれるのはまずいと判断したのか、半翼人は、片方の剣を蹴り上げる。丁度、半翼人の横に落下した。しかし、帯電しているため、半翼人が触るのはおすすめできない。それを分かっている故か、鎌でこちらの首を狙ってくる。

 私は、それを半円を描くように避ける。

 そして、これを待っていた。

 こちらへ向かってくる半翼人。


「【雷鬼一陣】」


 半翼人の後ろ(・・)にあるコピーの剣が雷となって、こちらの剣に戻ってくる。

 バチィッと弾けるような音が聞こえ、半翼人の腹は、雷により焼かれていた。

「【雷鬼一陣】

 【雷鬼残像】によって作られたコピーを元の一つの物体に戻すことができる。しかし、戻る時は、物質から雷となり「呪符」に戻るため、感電に注意すること」

 そう書かれていた、とフウキが言っていた。

 私が弾き飛ばされたほうがコピーだとしても、本物だとしても、反対の位置にあれば、どちらかが、相手を貫いて、どちらかに戻る。つまり、重要なのは、位置だけだった。



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