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24話:始まりの魔法使い
「奏でろ雷鳴、
煌け稲妻、
弾けろ電流、
天より来たる雷撃よ、
幾千、幾万にも重なり、
打ち放て、
【雷光】」
眩い光と雷が、【時空剣】の一撃にぶつかり弾ける。
歪んだ世界が元に戻る。
「なっ!」
「今のは、【始まり】の魔法!それに、ジャンヌ=ダルクの【白羽】の呪印!」
八雲の声。八雲の剣は、吹き飛んだ。
「フウキ、貴方、【白羽】だったの?」
「まあ、な」
「立ち込めろ霧雲、
広がれ雲海、
流れろ雲水、
天に層を成す大雲、
幾千、幾万にも重なり、
打ち広がれ、
【天雲】」
凄い量の雲が立ち込め視界を塞ぐ。
「スピカ、こっちだ」
俺は、スピカの手を引き、逃げる。
「なあ、スピカ、お前等は、どうして【終焉】をやりたいんだ?」
「【終焉】は、この世のシステムを崩壊させてくれる。獣人に負けっぱなしの現状を打開できる力になる」
そうか、【終焉】のシステムがよく分かってないのかもしれない。
滅びるんだよ。世界が。と言っても無駄だと思うので言わない。
「そろそろ、【壊れた輪廻のセカイ】が解ける。ワタシは、シリウスたちと合流する。どうする?」
「いや、俺は帰るよ」




