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665―ハーツ―  作者: 桃姫
光の星――Dazzling light covers the sky and can cover up the world――
21/33

21話:【輪廻】と【三家】

 かつて、【始まり】と【終焉】の交錯する世界がいくつかあった。

 その戦いは、長きに渡る。

 それは、あまり得策ではない。

 では、【終焉】と戦うものを増やしたらどうだろうか。

 そして【輪廻】は創られた。


 創られた力を三つの家に渡すことで戦いを早期に終了させることを目指した。


 その根本にある力は、様々な世界で起こっている戦いを治める。乱れた世界を正す。といったことである。


 と、祖母だと言う女性は言った。

「ん~、つまり、様々な世界で云々ってことは、異世界へ行けたり、正す云々ってことは、時間を戻せたり」

「できるわね」

 すっげぇ。俺の右手っつーか、まあ、能力だから何手も何もねぇけど……。

「でも、おそらく今は、限定的な能力しか使えないわね。この世界には【終焉】がまだあるから」

 なんだ、タイムトラベルしてみたかったのに。

「今出来るのは、他世界移動くらいかしら。まあ、そのくらいだったら、一定の力を身につければできるけれどね」

 私もできるし、と女性は笑う。

「で、できんの?」

「ええ、だって、私はめるとと知り合いよ」

 めると。狂った世界の【始まり】の少女。

 いや、少女なのか?

「あの娘に貴方のことを教えたのは私なのよ」

「ああ!あの『あいつ』って」

 そういうことだったのか。てことは、

「じゃあ、俺の名付け親なのか?」

「ええ、そうよ。めるとに聞いたのね」

 確かそうである。

「私は【氷の女王】や【帝華】なんて呼ばれていた、氷系統の第一級危険指定魔法使いよ。まあ、第一級とか決めた協会も、私のこと秘匿にしてるから上層部以外ほとんど知らないでしょうけれど」

 だ、第一級?危険指定?魔法使い?

 おいおい、ハーツ、獣人、悪魔ときて魔法使いかよ

 ファンタジーだな、おい。

「まあ、実際の指定は、一門級帝王指定魔法使いで、私以外にはもう一人しかいないわね」

 帝王指定?それって、

「最強とか言うやつじゃねぇの?」

「ええ、そうね」

 うわっ、すげぇ。

「まあ、貴方にも魔法の才はあるわ」

「いやいや、そもそも魔法なんてもんないって」

 中二かっ!

「じゃあ、聞くけれど、シリウスさんの炎の原理は?」

「は?い、いや、特殊能力?」

「それと魔法の原理はほとんど一緒なのよ。起源魔力にアクセスし魔力を引っ張り出し自分の中のイメージと仕組みで現象に変換する」

 なるほど……分からん!

「まあ、いいわ。その話はまたいずれ。それよりも今は、貴方に貴方の世界のことを話さないとね」

 まるで、自分は異世界の人間だ、とでも言うような発言をしながら女性は、言う。

「もうじき、【終焉】が始まるわ。ハーツが、獣人に勝つために。それで、八雲さんは獣人側についています。さて、ここで問題。フウキ、貴方は、どちらにつく?」

 どちらにって……。

 八雲の奴は今、ハーツに追われているって言ってたから、まあ、獣人側なのだろう。あいつの場合は、シリウスを倒せればいいわけだから。

 俺は、どうする?

「ちなみに、私の意に反した回答だと全身氷漬けで永久に動けなくなるわ」

 怖ぇええええええ!

 しかし、どうする。シリウスを倒すか、八雲を倒して世界を破滅させるか。

 ……ありぃ?圧倒的にシリウス倒したほうが被害がすくないんだけど?

 でもな、シリウス、か。

 銀朱の髪が、美しい少女が、脳裏に浮かぶ。

 殺したくは、ないな。

 アレだけ、俺を慕ってくれている彼女を。

「なあ、どっちも一緒にいられるって選択肢は、ないのか……?」

 俺は、女性に問う。

 すると女性は、ウフフと笑う。

「やっぱり、あの子の息子ねぇ~。そっくりじゃない」

 ん?どう言うことだ?

「私の意に反さない良い答えだわ」

 よかった、永久氷漬けは回避できたらしい。

「そうね、貴方は、ハーツ(しろ)でもない獣人(くろ)でもない真中(はいいろ)の道を行きなさい」

 真中(はいいろ)か……。

 


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