18話:白き羽を持つ者
星の名前だから何なんだ?
「星の名前なのは、特殊な力があるからなのよ。例えば、狼姫。シリウスって星は、炎や光って意味があるわ。そして、あの狼姫は炎を使える」
そういえば、「私たちが力を行使できるのは、私たちの本当の姿を見ることの出来る【エデンの民】と契約をした時だけなの」「そういうことなのです。私は、他のハーツとは異なり、何故か、通常とは異なる力を使えるのです。他にも何人かいますが……」って言ってたな。そういうことか。
「姫御子は契約なしで一定の力を行使できるの。そして、契約すれば、普通の人間や獣人が太刀打ちできないほどに強いの」
「それほど?」
「ええ、特に、【終焉】である狼姫は、もう、手も足もでないほどに強いわ」
そんな強いのかよ。
「それに私は、今や、ハーツに追われる身。分が悪すぎるわ。だから、ね。フウキ。私と契約しよっ♪」
契約?
「できんの?ハーツと光の民じゃなくても」
「ええ、できるわ」
そう言って、路地裏へ連れ込まれる俺。
「継承【輪廻】」
そういうなり、八雲は、俺の唇と唇を重ね合わせる。舌と舌が絡み合い、それほどまでに強烈なキスだった。
「さ、契約完了♪」
「おい、こんなキスする必要ないだろ。シリウスとは一瞬重ねただけだったぞ!」
「まっ、私との契約は一回きりだしキスする必要も無いんだけどね♪」
は?必要ない?
「じゃあ、なんでキスしたんだよ!」
「上書きよ。あの狼姫のキスをディープなキスで上書きしたの」




