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ご飯ですよ~

えー、導入部分が終わりましたので、ほのぼの物語りに入りたいと思います

なのであらすじは必要無いかと思いまして今話からあらすじはありません。

でも2~3話に渡って続くお話ならあらすじは挿入させていただきます。


 ふと目が覚めた。


 枕元に置いてある携帯で時間を確認すると時刻は10時半と言った所。


 基本的に明け方に寝て夕方起きるってのが俺の生活リズムなんだけどこんなに早く起きるのは珍しい。


 左手を伸ばすといつも置いてあるはずのブラックデビルとジッポーが見当たらない。


 寝起きは布団からしばらく動きたく無いのだがしょうがない。


 時広は置きあがり右手の方を見るとリサが寝ていた。




「やっぱり疲れてたんかな……。」




 頭をガリガリと掻いてからキッチンの換気扇の下に座る。


 そういえば昨日寝る前にリサに悪いと思って換気扇の下でタバコを吸っていた。


 慣れ親しんだ動作でタバコを一本取り出すと火は付けずにしばらく咥えてボケッっとして

いた。




 んー、今日はリサの身の回りの物を買いに行こう。


 見慣れない物をすこしはしゃぎながら見て回る彼女を思い浮かべて自然と頬が緩む。


 そしてタバコに火を付けると深く吸い込んで吐いた。




 寝起きでよどんでいた頭や体に煙が染み渡る。


 一口吸って行くごとにだんだんとクリアになっていく。




 そして吸い終わった後火消しに突っ込む。


 リボルバーの弾倉のような見た目のやつである。


 それから洗面所で歯磨きと洗顔を済ませてからすこしリサの寝顔を見る。


 軽い気持ちで見たのだったが……。


 彼女の目からは多数の涙が流れた筋があった。


 


 やはり年頃の女の子なんだな……。


 まぁ、もし俺がそうなったとしても泣いていたかもしれない。




 異界という全くしらない土地。


 そして里を襲われ知り合いはほぼすべて死んだのであろう。


 それでも彼女は強かったから、気付けないでいた……。


 


 本当は死ぬほど怖いし、死ぬほど心細いのであろう……。


 


 俺はリサの力になりたいし、リサも俺を頼って欲しい。


 だけど彼女は強いから……、きっと俺に頼らないし力を貸してくれとも言わないだろう。


 


 でもそれは駄目な気がした。


 なにが駄目かは解らないけど……、きっと駄目だ。


 




 とても辛そうな顔をしてるリサの頭を軽くなでてやる。


 すると今までの顔が嘘のようにすっ……と安らかな顔に変わった。


 


 悪夢でも見ていたのであろうか……。


 今は荒かった呼吸も落ち着いて大分楽そうだ。


 


「少しは力になれた……かな?」




 それからしばらくリサの頭を撫で続けた。








 とりあえず満足したのでサラの頭から手を離して朝食の準備をしているとサラが起きてき

た。




「おはようございます、トキヒロさん。」


「あぁ、おはよう。タオルは何使ってもいいから顔あらってきな。あとが白い歯ブ

ラシを置いておいたから使って。使い捨ての歯ブラシなんだ。」


「はい、ありがとうございます。……あれ? 朝食をお作りになっているのですか?」


「うん。スクランブルエッグとベーコンだけど……、大丈夫かな?」


「あ、はい。同じような物を見た事があるので大丈夫だとは思いますが……。ご飯の支度は

私の仕事では……、申し訳ありません。」


「いやいやいや!! 今はまだ食材とかの説明してないから良いよ! それに疲れているだ

ろう? 気にしないで。」


「はぁ……、ですが。」


「いいからいいから! はい、チャッチャと歯と顔洗って来なさい!」


「すいません……、ではお言葉に甘えさせていただきますね。」


 しっかりと引き際をわきまえているあたりはさすが王族、と言った所かな……。


 このまま話し合っていても解決はしなかったであろう。


 リサの新たな一面を見れた時広はすこし上機嫌になりながら卵を炒めていた。




「ケチャップ大丈夫……? トマトって言って赤い水分を多く含んでる野菜を味付けて煮込

んだ物なんだけど。」


「なんだか毒々しい色をしていますが……。」


「大丈夫だと思う……、多分。一口舐めて見る?」


「あ、はい。興味があります。」


 そういうとスプーンにケチャップを少し垂らしてリサに渡す。


 若干戸惑ったリサであったが、意を決して口にするとパァッと顔が輝いた。


「これはとてもおいしいですね! 甘みと塩加減が絶妙でとても深い味です。」


 おぉ……、プロの料理人みたいな意見だな……。


 これはこういう物だ、と思って使っていた俺にはかなり意外だった。


「そしたらこのスクランブルエッグって言うんだけど、これはそっちの世界にもあったん

じゃない?」


「はい、卵は栄養価が高いと言われて食事には欠かせませんでした。」


「それはそっちの世界でも一緒なんだね。」


 とりあえず食事にあまり差は無いようだ。


 食文化ってのは全世界共通で進む物だからな。


「あとこっちの肉はベーコンって言って塩をまぶして煙でいぶして余計な水分を飛ば

して保存が効くように作られた保存食ってやつだね。」


「私たちの里は肉が重要だったので基本的には干し肉にしていましたね。塩は高価で森の中

なので滅多に手にはいらないのです。」


 その代わり香辛料なんかで味を調えていたのだそうだ。


 たしかに森の中なら自生しているハーブやらが大量にあるだろう。


「あとはこれ、味噌汁。日本人とはとてもなじみが深いスープだ。料理……とは言えないか

もしれないけど日本を代表するスープだよ。豆を発酵……、少し腐らせて作られる味噌って

いうのをお湯に溶かして飲むんだ。」


 時広は大の味噌汁好きでパンだろうがパスタだろうが、かならず味噌汁を付ける。


 しかも昆布とアゴ(トビウオの干し)と鰹節でダシを作って冷凍保存して使っている。


 味噌も出汁入りではない無添加の味噌を使っているし、とにかく味噌汁に対しての熱意は

半端じゃない。


 だがほかの料理はまるっきり興味が無く、味の素だって使うし基本的にはカップラーメン

だ。


「このミソシル、というスープはとても美味しいですね……。後から後から口の中に旨みが

広がっていきます……。」


 大好きでこだわり抜いた味噌汁を褒めてもらった時広の顔は満面の笑みだった。





作者も味噌汁が大好きです。

さすがに時広ほどこだわってはいませんが……www

パンと味噌汁

パスタと味噌汁

味噌汁はなんにでも合います。

一度シチューを作った後に味噌汁をつくってしまい

なにしてんだ俺ってなった事があるくらい味噌汁がすきです。

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