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混乱?

あらすじ

リサルフィーヌの居た世界の話を聞いていた時広だったが

それは想像を絶する過酷な話であった。

そして話終わったリサルフィーヌは?



 そして話し終わったリサルフィーヌは俯いてしまった。


 こんな暗い話をした後だったら仕方ないか……、と思っていたが……。


「……うっ……ひぐっ……ぐすっ……。」


 泣き出してしまった。




 うわーどうしようどうしよう!!


 今までまともに付き合った女性なんて数えるほどしか居ない時広は焦った。


 こういう時にどうすれば良いかわからないのである。




 どうしようどうしよう。


 もう彼の頭の中はそれだけでいっぱいだった。


 俺が帰れないって言っちゃったのがまずかったのかな……、どうしようー!




 泣いてるエルフに慌てるニート。


 はたからみたらそれはそれはもう酷い有様だった。


 こういう時は頭撫でてあげたりとか抱きしめてあげたりとかしてあげた方が良いんだろう

けど見ず知らずの男にそんなことされたら嫌なだけだよな……。


 泣いてる彼女を尻目に、時広はただ呆然としていた。




 30分ほど経ったであろうか、ようやく彼女も落ち着いてきたのかもう鼻をすする音しか

聞こえない。


 時広はすっとティッシュを差し出す。


「あー、これは鼻かんだりよごれた物拭くための使い捨てのハンカチみたいなものだから

使って。」


「あ……ぐすっ……ありがとうございます……ずびっ。」


 シュッとティッシュを取るとまたおんなじようにティッシュが出てきてびっくりしていた

が、とりあえず鼻をかんでいた。


「それと……、まぁ温かい物でも飲んで落ち着いて。」


 安物のティーバックに入ったアップルティーを彼女に渡す。


「すいません……。頂ます……。」


 なんてことない100円のマグカップをまじまじと見て「綺麗……。」だとか言っている

が、きっとそれが文明の違いと言う物なのだろう。


「すごく香りが良い紅茶ですね……。色もすごく綺麗……。」


 まぁそれは合成着色料に香料の塊なんだけどね。


 やはり味が微妙だったのか、少し頭を傾げていたがまた飲んでいた。


 きっと彼女には香りと色付きのほんのり甘いお湯に感じたであろう。


 しばらく紅茶を啜る音だけが響いていたが、彼女が飲み終わったのか話しかけてきた。


「見苦しい所をお見せしてしまいました……。」


「いや、当たり前の反応だと思うよ……。」


 その後に「家族が死んだって言うんだったら」と付け加えようとしたがまた場が重くなっ

たり彼女が泣きだしてしまったりしたら目も当てられないので黙っておいた。


 もし自分がいきなり家族を皆殺しにされて見覚えの無い場所で目が覚めたら発狂していた

であろう。


 なのにもかかわらず彼女は冷静に行動していた。


 それだけでも大変すごいことである。


「落ち着いた?」


「はい……。」


「なら良かった……、それでさっきの話聞いてて思った疑問なんだけど聞いて良い?」


「私に答えられる範囲でしたらお答えします。」


「うん、まず一番聞きたい事は自分で転移魔法使って帰れないの?」


 転移魔法で来たのであれば転移魔法で帰れるんじゃないか?と時広は思った。


「多分それは無理かと思います……、転移魔法というのは人二人分の魔力を使うのです

よ。」


「二人がかりで魔術を行わないといけないほど莫大な魔力を使うんだ?」


「いえ、術者は一人で良いんです。しかし転移される側も転移中にダメージを受けない用に

魔力を引き出されるのです。なので転移の術は他人を転移させるため、逃走用として使われます。」


「なるほど、術者は自分の魔力ほぼ使って転移させるから術を受けた方は自分で結界を張ら

なきゃいけないと。」


「自分で張るのではなく、転移の術に転移者の魔力を引き出して防御膜を張ると言う術が組

み込まれているのです。」


「ふむ……、ってことは魔力が無い人は転移者になれないの?」


「そうですね……、そうなりますが、私の居た世界では魔術を使えないという人は逆に少な

かったです。量は異なりますがほとんどの人は魔力を体に宿していて少しならば魔法は使え

ました。」


「へー、そうなんだ。」


「はい。そのために自分に転移を駆ける事は転移の術を使っても尚余りある魔力が無いと不

可能なのです。私の祖父は魔力量がエルフの中でも多い方でしたがその祖父でも自分に転移

をかける事は不可能だと言っていました。」


 エルフはただでさえ人並み外れて魔力が多いはず、そして彼女の祖父となれば何世紀と生

きてきたはずだ。


 そんな彼女のおじいちゃんが不可能と言ってただけあってそれはもう莫大な量の魔力を使

うんだろうな…。


「えーっと……名前なんだったっけ……。」


「リサルフィーヌです。」


「あぁ、リサルフィーヌちゃんね。リサルフィーヌちゃんは転移の術使えるの?」


「リサで構いませんよ。私は木々に囲まれて増幅ブーストした状態でギリギリって所で

すかね。増幅ブースト適性が人一倍なんですよ、私。」


 森の民たる彼らは木々に囲まれると多少魔力が上がるそうなのだが、リサはその魔力増加

量がとても多いのだそうだ。


「ってことは現状手詰まり状態か……。」


「そういう事になりますね……。そういえばお名前をお伺いしてませんでしたね。」


「あぁ、そういえば忘れてた。俺の名前は宮中時広、時広で良いよ。」


「トキヒロさんですか……。良い名前ですね。」


「はは、照れるな。名前を褒められる事なんて滅多に無かったよ。」


 ぐ~~~~


 緊張の糸が解けたからか、ラーメンを食い損ねた時広の腹が鳴る。




「とりあえず話の続きはご飯食べながらにしよう。」


「あ、はい。わかりました。」


 とりあえず話は腹ごしらえしてからだ……、と思ったが。


 ウチには食い物はさっきぶっちらかしたラーメンしかない。


 しかたが無いので外食にしようと思ったが……。


「とりあえず、その服と髪と耳をどうにかしないとね……。」


「どうしてですか? 私たちの里は人的交流はありませんでしたが他の里では比較的接触し

てると聞きましたが……。」


「ここはきみたちが居た世界と違ってエルフもドワーフも獣人も居ない、人間しか居ない世

界なんだ。」


「なるほど……。それは好奇の目に晒されますね。」


「物分りが早くて助かるよ。」




 そういうと時広は適当に服をあさり始めた。




もうそろそろ良い感じになるはず。

いい加減入らないと読者も作者も飽きる……。

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