およーふく(中)
~あらすじ~
時広の家に押しかけてきた謎の女性。
彼女の正体は!?
「ひとんち入る時くらいのっくしてから入れ。」
「あー、ごめんなさい。ってそんな話してる場合じゃなくて!!
この女の人は誰ですか!?」
先ほどから話に全く付いていけていない困惑気味のリサを指さす
コイツ。
大学のツーリングサークルで知り合った珍しい女。
名前は谷中 奏、年は俺の1個下だ。
通称「ばかなで」
女にしては珍しく大のバイク好きでバイクを持っていない状態
でツーリングサークルに入ってきたんだがバイトしてこつこつ貯め
た金でYAMAHA SR400を買った。
なんでも俺に影響されたらしい。
ちなみに俺が乗っているバイクもSR400。
ボアアップして正確には524ccだが。
まぁ、俺のバイクの話は後々話すとして。
なんで奏がここにいるのかというと俺がブレーキシューをそろ
そろ交換しようとしていたら奏もやってほしいとの事なのでついで
だからとやってやる事にしていたのだ。
今日。
あぁぁぁぁ!!! なんで忘れてた俺!!
まぁ確かにあれだけどたばたしてたら忘れるかもしれない......。
「えーっとだな......、この人はリサさんっていってとある事情で
うちに居候する事になったんだ。」
「とある事情ってなんなんですか!! てか確実に怪しいですよね! 怪しすぎます!」
「初めまして、私リサルフィーヌ・マルガナサッツ・ウィンディー
ヌと申します。お見知り置きを。」
その優雅な身のこなしとあまりにも流暢な日本語にポカンとしている奏。
「ばかなで、惚けてないで挨拶くらい返せよ。日本人だろ。」
はっと我に帰った奏は慌てて頭を下げる。
「や、谷中奏です! に、日本語お上手なんですね......。」
「いえ、元々この地で育ったんですよ。見た目が違うだけです。」
上手に嘘を付くリサ。
こういう所もすごいと思う。
慣れない名前だからか非常にどもりながら奏が喋る。
「え、え~っと。リ、りさるふぃーぬさん?」
「リサで結構ですよ。何でしょうか。」
「えーっと......、なんか時広さんにされてないですか?」
「いえ、トキヒロさんには良くしていただいています。」
「あ、本当ですか!」
たったそれだけの会話でなにがわかるというのだかわからないが
、彼女たちにはそれで伝わったのであろう。
俺の信用何処行った......。
奏 登場です。
次回「およーふく(下)」です。
ようやく時広の愛車が出てきます。
いるかどうかはわかりませんがバイクヲタの人に少しでも作者のバイク熱が伝わればと思います。