表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/15

うぃんどーしょっぴんぐ

 朝食を食べた後はリサ用のパジャマや色々な物を揃える為に電車で数駅の大型ショッピングモールに来ていた。


 そのショッピングモールは町として作られるほど大きく、駅もできたりなどとてつもない大きさを誇る。


 敷地面積26万平方メートル、全長1kmにも及ぶ国内最大のショッピングモールだ。


 電車ではしゃいでいたリサであったが、さすがにこのショッピングモールを見たら黙った。




「と……、とても大きいですね……。大陸一の城よりも大きいのではないでしょか……。」


「見た事あるんだ?」


「はい、一度だけですが。」


「まぁ、このショッピングモールってのは商人が小さい店を出し合ってできている大きな商人ギルドの建物みたいなものだよ。食べ物、洋服、生活必需品はもちろん家具や果ては車も売ってる。」


「す、すごいですね……。」


「まぁ……、ここで揃わない物はほとんど無いんじゃないかな……。」


「な、なるほど。」


「それじゃあ行こうか!」


 意気揚々と歩き出す時広。


 今日は休日と言う事もあってかかなりこんでいる。


 広々と育った影響かリサは人混みかあまり得意ではないのか電車でも少し困惑気味にしていた。




 まぁ、電車が走ったらそんな事は吹き飛んだようだが。




「良い? はぐれそうになったら俺の名前を呼んでね? あとは見たい物があったら立ち止まらないで俺を呼ぶ事。」


「はい、よろしくおねがいします。」




 今日はリサが迷子になっても見つけやすいようにすこし派手目なパーカーを着せた。


 目がチカチカします。とリサは言っていたがまぁリサの格好より奇抜な人なんて掃いて捨てるほどいるから特に目立ちはしないだろう。


 今日もニット帽をかぶせていた。


 なんだかスケボーを持たせたら似合いそうな格好である。


 


 それでもかわいいんだけどね!!




 リサの顔立ちが完全に外国人なのでそこは少し心配していたが、外国人の客が多いのかあまり目立つ事は無かった。


 しかし当の本人は初めて見る物ばかりで大興奮し俺をあちらこちらと引っ張って言った。


 俺の腕を引っ張ってそのまま腕に張り付くように見ているので本人は気付いていないだろうが完全にカップルである。


「ふわぁ……、すごく良い匂いがします……。あの輪っかみたいな食べ物は何ですか?」


「ん、あれはドーナツって言ってパンを油で揚げたお菓子だよ。」


 目がキラキラを通り越してギラギラしているので買ってあげた。


 俺は甘いものは嫌いでは無いが進んで食べようとは思わないので遠慮していたがリサが美味しい美味しい言ってすすめて来るので一口もらった。


 なんだかたべかけの物を貰うのって恥ずかしいな……、リサは全く意識してないみたいだけど。


 そこらへんはやはり文明の違いと言うものであろう。


 向こうは貰える物を遠慮するほど食が充実していないはずだ。


 それからアイスや色々な甘い物を買い食いしてはあまりの美味しさに泣きそうになっているリサを見て、やっぱり女の子なんだな。と俺は思った。


 今は辛い事なんて忘れてリサに楽しんでもらおう。


 それが彼女に対して俺ができる事。




 そこからしばらく歩いてお目当ての雑貨屋に寄りマグや茶碗や箸など色々買っていく。


 あとはテーブル。


 今まではおきっぱなしだったのだが布団を常時二組敷く事になったので折りたたみ式のを買う事にした。


 そっちのほうがかさばらないし。


 この雑貨屋は非常にお洒落ですこし高いのだが、リサが気に入ってくれたのでそんなのは痛くも痒くもない。いや、多少痛いけどね?


 キャッキャ言いながらクッションや色々な小物を見ては「綺麗……。」やら「美しい……。」やら言って表情がコロコロ変わるのは見ていて楽しい。


 それから小2時間ほど雑貨屋だけで過ごした俺たちは会計を済まして(俺のオーリンズ足回り貯金が……。)またリサの買い食いツアーの再開をした。


 俺は歩きながら食べれるミラノサンドを買ってリサと一緒に買い食いをしまくった。


 甘いものだけで樋口一葉とサヨウナラとは……、リサお主やりおるな。


 終始ニコニコとしているリサは本当に見ていて楽しい。


 それに説明にも一々びっくりするのだから説明しても飽き無い。


 本当に一緒に居て楽しい子だな……、と思った。




 と、リサがいきなり止まった。


 いまだにリサの腕は手に回ったままだ。


 それにつられるようにガクンとなったのでまた食い物か……、と思ったが違った。


 今リサが立ち止まってるのはアクセサリーのお店である。


 あまり派手な感じではなく落ち着いていて男性客もこれぐらいならあまり入り辛くは無いだろう。


 そしてリサの目線の先には数珠のようなブレスレット。


 うん、文句無しでお洒落だな。


 余り自己主張の強く無い細いタイプのようだ。


 アミュレットだろう、多分。


 あまりそういうのには詳しく無いがパワーストーンに見える物が繋がれている。


「時広さん。」


「はいはい。」


「こちらの世界には魔法が無いのでしたよね……? なぜこんな所に魔装が?」


「魔装? そのブレスレットの事かい?」


「はい。このような珍しい石には力がこもっていてそれの大半は魔力を強化してくれる物がほとんどなのです。」


「ほー、それは魔装ではなくてアミュレットって言ってお守りみたいなものだよ。こっちの世界にもなにかしらの力があるんじゃないかって言われててね。実際は何も無いみたいだけど。」


 そこで店員さんが話しかけてくる。


「そちらのアミュレットのブレスレットいかがですか? こちらに使われている石はセラフィナイトと言いましてこの白い模様が天使の羽のように見える事からそのような名前が付けられています。リラックス効果なんかが期待できますね。ただしセラフィナイトは干渉を受けやすい石なので他のアミュレットとご一緒に使われてしまいますとセラフィナイトの本来の力が発揮できないので一つのみ使われる事が望まれます。」


 ほー、そんな効果があるのか……。


 でもこの深緑に白い模様はまるでリサみたいだな。


 


 なんだかリサ目がキラキラしてるし。


 これ欲しいのかな……?


 値札を見ると驚くほど安い。


 てっきり1万円くらいするかと思ったが3000円くらいなので全然安い。


「あぁ、じゃあこれ下さい。」




 一瞬リサが俺の顔を疑問符付きの顔で見てくる。


「トキヒロさん付けるんですか?」


「いや、リサにプレゼントするよ。」


「え、えぇ!!??」


「いや、なんかこれリサに似合うと思ってさ。」


「いや!! こんなに高そうな物は貰えませんよ!!」


「何いってるんだい、安いよ。君が今まで食べてきた金額の半分くらいだよ。」


 きっとリサは魔装とか言ってたからかなり高額な物だと思っていたのであろう。


 リサの食費のが高いわ!! と突っ込みたいが俺は別に構わない。


「な、なんと……。でも本当に良いんですか?」


「俺が良いって言ってるんだから良いの。」


 と、言うとリサは本当はうれしかったのか満面の笑みを咲かせた。






 うんうん、それが見たかったんだよ。








 ついついニヤける時広であった。






ほのぼのしてきました。

書いてて楽しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ