表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/15

日常

よろしくおねがいします。

 

「宮中君お疲れ様ー」


「あ、お疲れ様っす」


 タイムカードを押し終わると店長に話しかけられる。


 このおっちゃん見た目は冴えないおっちゃんなのに、中身もぱっとしないおっちゃんなのである。


 当たり障りが無さ過ぎるし、とくにこれいった特徴もなく詳細は適当にイメージして欲しい。


 今の時間は5時ちょっと過ぎと言った所か、明け方のコンビニは人気が全く無く、ガランとしていた。


 俺のシフトは深夜から明け方までの4~5時間。


 元々夜型人間であるしフリーターだったので時間の余裕はあった、むしろありまくった。


 形式上はフリーターなのだが心は根っからのニートであり、正直人生はもうすでに半ば諦めている。


 適当な短大を出たものの、時代は就職氷河期。とくにこれといった物が無かった俺は例に漏れなく現在絶賛就職活動中だ。


 そんな普通を極めたような宮中時広みやなかときひろ事俺は適当にラーメンと飲み物の入ったコンビニ袋片手に家路に付いた。



 バイト先から徒歩5分ほどで我が家に付く。


 短大入学と共に上京してきたのは良かったのだが、いかんせん財布が寒く貧乏だった俺は良い場所に住めるはずもなく。


この築60年、野差荘やさしそうの6畳一間、家賃1万2千円の超ボロアパートに住んでいる。


冬は冷たく夏は暑い、名前に反して住民には優しくないのが恨み所だ。


 意味があるのかどうかすらわからない簡素な鍵を通すと玄関の扉を開ける。


 そこには一人暮らし特有の大量のゴミと万年床で足の踏み場もない何時もと変わらぬ我が家の姿があった。


 電気ケトルでお湯を沸かしてる最中にとりあえずテレビを付ける。


世間では殺人や強盗など物騒なニュースは無くただただ政治家の足の引っ張り合いを写しているだけである。


これは平和だな、と安堵すればいいのかそれとも日本の行く先を危惧すればいいのか…。


 そんな事を考えている間に電気ケトルのお湯が沸く。


 それをカップラーメンに注ぐとなんとも腹が減る匂いが部屋を包む。かじかんだ手を器に当てて手を温めているとそれは起こった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ